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2012年1月31日次世代パッケージ管理システム「pkgng」β版登場

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FreeBSD pkgng beta unvieled

FreeBSDの次世代パッケージ管理システム「pkgng」がβ版に到達しました。⁠pkgng」は現行の「pkg_install」の置き換えを目指して開発が進められているツールで、いわゆるモダンなパッケージ管理システムの実現を目指すものです。すでにPorts Collectionに登録されているportsのうち21,500が変更なしでpkgng化に成功しており、それ以外のportsも多少の変更で対応できるだろうと説明されています。

現在FreeBSDが利用しているパッケージ(pkg_install)は現行のモダンなパッケージ管理システムと比較して次の弱点があります。

  • アップグレードサポートを提供していない
  • リポジトリサポートを提供していない
  • 保持しているメタデータが少ない
  • 依存トラッキングが弱い

「pkgng」はこうした問題を解決し、モダンなパッケージ管理システムと同様の機能を提供するのみならず、次のようにFreeBSD特有の機能もサポートするという特徴があります。

  • Jailをサポート(chrootもサポート)
  • rcNGフレームワークに対応

それ以外にも次のような特徴があります。

  • root所有ファイルを含むパッケージの作成にあたってroot権限が不要
  • 柔軟なディレクトリ操作に対応
  • メタデータはYAMLフォーマットで記載されており読みやすい
  • スクリプトとの親和性が高い

「pkgng」はパッケージ管理システムとしては最後発ということになります。すでに存在するさまざまなパッケージ管理システムのアイディアや状況を研究したものとされており、優れたアイディアを取り込みつつ、オーバースペックや複雑になりすぎる部分を避けているという特徴があります。最後発であり、Ports Collectionやpkg_installにおける経験を活かしたものであるということそのものが、⁠pkgng」のもっとも興味深い部分と言えるかもしれません。

β版の段階は長らく続ける見通しで、最終的にFreeBSD 10.0-RELEASEまたはFreeBSD 9.1-RELEASEで「pkgng」のサポートが追加されるものとみられます。最初の「pkgng 1.0」は既存のPorts Collectionインフラストラクチャをベースとするため先進的というよりも互換性の確保といった側面が強く、より先進的な機能は「pkgng 2.0」を目処に進められることになると見られます。

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