release
- The OpenBSD 5.
2 Release OpenBSD 5.
2の正式版が公開されました。5. 2の最大の注目ポイントは、 pthreads(3)の実装がユーザランドのライブラリレベルのスレッドから、 カーネルレベルでのスレッド実装へ置き換わった点にあります。これによって、 pthreads(3)で作成したスレッドがそれぞれコアに処理を割り振られるようになります。これまではユーザランドのライブラリスレッドなので、 単一のコアでのみ動作していました。 それ以外ではIntel 10GbE NICのデバイスドライバであるix(4)のパフォーマンス改善、
pf(4)の改善、 nginx(8)をデフォルトのコマンドとしてシステムにマージ、 SQLite 3. 7.13をデフォルトのコマンドとしてシステムにマージ、 OpenSSH 6. 1の導入、 などが注目されます。 FreeBSDはユーザランドに新しいコマンドを追加することに、
かなりの障壁がありますが、 OpenBSDはBSDライセンスのソフトウェアであれば、 比較的積極的に外部のツールをユーザランドコマンドとして取り込む傾向があります。nginxは今積極的に開発が進められているHTTPdサーバ/プロキシサーバで、 これがベースに取り込まれたことは注目に値します。 OpenBSDは*BSD系オペレーティングシステムの中ではリリースエンジニアリングがもっともきっちりしたプロジェクトで、
確実に半年ごとにリリースを実施しています。OpenBSDのリリースエンジニアリングに関しては学ぶべき点が多く、 OSSプロジェクトの運用手法として参考になります。