report
- FreeBSD Quarterly Status Report April-June, 2012
2012年4月から6月までの第2四半期におけるFreeBSDのステータスレポートが公開されました。半年以上前のレポートなのでちょっと内容が古いのですが、
いくつか興味深いところをピックアップして紹介します。 - BSDライセンスsort(1)
FreeBSD 10-CURRENTでBSDライセンスのもとで開発されたsort(1)コマンドが、
従来のGNU sort(1)に代わりデフォルトになったことが紹介されています。デフォルトになったBSD sort(1)はGNU sort(1) version 8. 15と互換性があるとされています。ただし、 GNU sort(1)と異なり、 マルチスレッドモードはデフォルトでは無効だと説明があります。 今後の課題として、
マルチスレッドモードの信頼性を向上させ、 マルチスレッドモードをデフォルトにできるかどうか調査するといった項目があげられています。GNU sort(1)を10-CURRENTから削除するという課題も挙げられていますが、 こちらはすでに現在の10-CURRENTで実現されています。 また、
ソースコードのリファクタリングを実施して整列の機能を独立したライブラリとして実現できないかどうか取り組んでみるという項目も紹介されています。これが実現すると、 ほかのコマンドやユーティリティがsort(1)と同レベルの検索機能を実装しやすくなります。10-CURRENTのソースコードを見るかぎり、 この取り組みはまだコミットされていないようです。 - FreeBSD Haskell Ports
FreeBSD Haskellチームからは、
Haskellプラットフォームを2012. 2.0. 0へ、 GHCを7. 4.1へアップデートしたことが報告されています(本日付けのPorts Collectionに登録されているGHCのバージョンは7. 4.2です)。これからの作業として、 さらに多くのHaskell関連のportsの追加や、 LLVM ClangでのGHCの動作試験などがあげられています。 - Multipath TCP (MPTCP) for FreeBSD
興味深い報告としては、
現在策定が進められている段階にあるMultipath TCP (mptcp) に関する報告があることです。ドラフト段階にあるIETF Multipath TCPを実装する取り組みです。Multipath TCPの実験環境として活用できるレベルまで開発を進めること、Linuxカーネルの実装と相互通信できるようにすることなどが開発目標として説明されています。