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2009年11月19日Linuxディストロ合戦「秋の陣」、トリに登場したのはFedora 12

Fedora Projectは11月17日(米国時間⁠⁠、Fedora Linuxの最新バージョン「Fedora 12」を正式公開した。数多くの最新機能が取り込まれているFedora 12だが、最も注目すべき要素として「次世代ビデオコーデック"Ogg Theora"」⁠仮想化機能の改善」⁠NetworkManagerの向上」が挙げられる。

採用されている主なソフトウェアは以下の通り。

  • Linuxカーネル 2.6.31.5
  • KDE 4.3.2
  • GNOME 2.28(GNOME 3.0のシェルプレビュー)
  • Ext4(デフォルトファイルシステム)
  • X.Org Server 1.7
  • KVM(デフォルト仮想マシン)
  • Empathy(デフォルトIM)
  • Ogg Theora 1.1.0
  • PolicyKit 1.0
  • ABRT(自動バグ報告ツール)
  • Dracut(新ブートシステム)

また、ネットブックでの利用を考慮し、Intel Atomプロセッサへの最適化が行われているほか、Moblinのサポートも実現している。

GNOMEのデスクトップ画面
GNOMEのデスクトップ画面

今回のリリースでFedoraおよびRed Hatの開発チームが最も力を入れたのが、フリーのビデオフォーマット"Theora 1.1"の採用だ。今年9月にリリースされたTheora 1.1はエンコーダの品質が大きく改善され、H.264とも互換性をもつことから、Red Hatが各方面に強く推奨してきたもの。現在、HTML5で採用されるビデオ規格に関して、H.264とTheoraが競合関係にあるが、権利関係が複雑なH.264に対し、オープンな規格のTheoraのほうがHTML5には適しているという声が大きくなってきている。TheoraはWikipedia、VideoPress、DailyMotionといったメジャーなWebサイトでの導入例が増えてきており、Fedora 12での正式採用により、さらなる普及に弾みをつけたいところだ。

Fedora 7から採用されているデファクトスタンダードのネットワーク設定ツール"NetworkManager"は、今回のバージョンアップでIPv6対応やモバイル通信環境の大幅な向上が図られている。

その他、マルチメディア環境(PulseAudioのエンハンスメント⁠⁠、セキュリティ(SELinuxサンドボックス⁠⁠、Webカメラサポート、対応ハードウェア、など、多くの面で改良が加えられている。

FedoraはRed Hatが公式にサポートする唯一の一般向けLinuxディストリビューション。そのため、開発方針として、最先端/最新のテクノロジを意欲的に取り込むことで知られる。この秋、数多くのLinuxディストリビューションが公開されたが、"Cutting Edge(最先端)"という意味ではFedora 12が一歩リードしているのは間違いないようだ。

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