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2010年3月16日そのLinuxの名は“赤い星”─メイド・イン・北朝鮮のディストリビューション

Linuxディストリビューションはいまや世界各国でさまざまなタイプのものが開発されているのはご存知の通りである。しかし、あの北朝鮮でも独自のディストロが開発されていると聞くと、多少の驚きを禁じ得ないのはたしかだ。オープンソースの代表格のLinuxと北朝鮮……あまり"&"で結びつかない組み合わせではある。

というわけで、筆者と同様に想像のつきにくい方は、ロシア語で書かれているこちらのブログをご覧になるといいだろう。このブログを書いたのは金日成大学で学ぶロシア人学生のMikhail氏(日本語読みはミハイル⁠⁠。北朝鮮製のLinuxである"Red Star"を入手し、インストール後、ひととおりの動作を行っているもようが、スクリーンショットともに記されている。ちなみに同氏は、大学近くのインフォメーションセンターで5ドルで入手したという。とくにレジストレーションの必要もなく、普通に購入できたとか。なお、追加アプリケーションが入ったディスクのほうは倍の値段がするそうだ。

図1 Tuxにこんな格好をさせるのか…
図1 Tuxにこんな格好をさせるのか…

インストールはCDがブータブルになっているので、それほど大変ではなかったようだ。10~15分程度でさくさく終わるらしい。意外なことにハードウェアのリソース要求がきびしく、CPUはPentium III以上、RAMは256Mバイト以上、ハードディスクの空きは3Gバイト以上も必要だとか。

同ブログにあるスクリーンショットを見るとわかるように、Windowsによく似たUIである。ただしWindowsや他のLinuxディストリビューションとは異なり、使用言語の選択はできない。"Korean"のみのようである。そのかわり、キーボードレイアウトは韓国語(朝鮮語)のほか、英語、中国語、ロシア語、そして日本語が選択できる。ここだけは6ヵ国協議に復帰しているのか。

WebブラウザにはFirefox 3.6(なぜかアプリケーション名は"My Country")が使われているようだが、デフォルトのサーチエンジンはGoogleやYahoo!ではなく"Naenara BBS"というあまり聞いたことがないもの。どうも"我が祖国"という意味らしい。なるほどね。

こうしてみると、いくつか変わったところがあったり、ディストロの名前に共産主義っぽさはあるものの、あとはふつうのLinux OSといってもおかしくない感じである。もっとスゴいデスクトップテーマやその他もろもろを想像していた向きにはすこし残念!? だったかもしれない。

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