来年4月にリリースが予定されている"Natty Narwhal"ことUbuntu 11.04、つい先日、ユーザインタフェースをGNOME ShellではなくUnityに変更するというアナウンスがなされたが、かのMark Shuttleworth氏はふたたびNattyに関する大胆な発表を行った。UnityはX Window SystemではなくOpenGLベースのディスプレイ管理システム「Wayland」で動くというのだ。
- 「Unity on Wayland」(Mark Shuttleworth Blog Archive Thursday, November 4th, 2010)
- URL:http://www.markshuttleworth.com/archives/551
Xアプリケーションとの互換性に関しては「心配要らない」とShuttleworth氏は断言しており、「互換モードでXアプリケーションが動作することを約束する。ユーザ側で何かする必要はない」としている。
Xはすばらしいプロジェクトだが、我々が真に求める"スーパースムース"なUIをユーザに届けるものではない─Shuttleworth氏のこのフレーズには、今までと同じようなXベースのUIでは、一般ユーザにとって使いやすいデスクトップシステムには決してなり得ない、という強い思いが込められているようだ。WindowsやMac OSと並ぶデスクトップシステムを本当に目指すなら、Xを捨てることも視野に入れなければならないという決意の表れなのかもしれない。「Xでも我々が求めるUIを作り上げることは可能だろう。ただし、その作業はあまりにも困難で、なおかつ今後、それが簡単になることはない」(Shuttleworth氏)
ただし、NattyでUnity+Waylandを正式リリースするかどうかはやや微妙な話になるらしい。「(Nattyリリースまでの)6ヵ月の間に何らかの成果物は届けたいと思うが、この手の開発には1年くらいかかるという計算が現実的だろう」としており、デフォルトではない可能性が高いことを示している。
当然ながら、このブログポストが公開されてからというもの、GNOME Shellのときと同じく、反対意見が噴出中だ。Natty NarwhalはもしかしたらUbuntu史上、最も注目されるバージョンになるかもしれない。