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2011年1月6日Linuxカーネル2.6.37がリリース、ファイルシステム周りの改善が目立つ

Linus Torvalds氏は1月4日(米国時間⁠⁠、Linuxカーネル2.6.37のリリースを発表した。今回のリリースにおける注目点は、ext4およびXFSに合わせたSMPスケーラビリティの改善、クラスタファイルシステムCephベースのネットワークデバイス、Btrfsの改善、PPTP(PPP over IPv4)のサポートなどが挙げられる。

2.6.37における主な変更点は以下の通り。

  • ext4におけるSMPスケーラビリティの改善(中間レイヤのbufferレイヤではなくBlock I/Oのbioレイヤを直接扱えるようになった⁠⁠、mkfsの高速化
  • XFSスケーラビリティのパフォーマンス改善
  • ジャイアントロックのBKL(Big Kernel Lock)の削除
  • 分散ファイルシステムのCephベースのネットワークブロックデバイス「RDB(Rados block device⁠⁠」
  • I/Oスロットルのサポート
  • ジャンプラベルの採用(トレースポイントをデフォルト無効に)
  • Btrfsの改善(非同期スナップショット作成など)
  • perf probeの改善("--moduleコマンドによるモジュールサポートなど)
  • 電源管理の改善(デバイスの自動サスペンドのディレイ、LZOハイバネーション圧縮)
  • PPTP(PPP over IPv4)のサポート
  • Fanotify APIを使用可能に

Linus氏はLKML宛のメールで「2.6.37は現在、非常に安定した状態にある」とコメントしており、まもなく次の2.6.38用のマージを開始するとしている。

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