FedoraプロジェクトのリーダーJared Smith氏は4月12日(世界協定時)、おそらく今秋リリースされるであろうFedora 16のコードネームが「Verne(ベルヌ)」に決定したと発表した。これはいくつか絞られた候補の中から、コミュニティメンバーが投票によって選ぶシステムを採用している。候補のコード名と投票結果は以下のとおり。
コード名 | 得票数 |
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Verne | 2204 |
Beefy Miracle | 1662 |
Omoto | 1522 |
Nepia | 1241 |
Bonnet | 1207 |
Barona | 1157 |
Llullaillaco | 90 |
Legation | 845 |
Mt. Orne | 607 |
Fedoraのコードネームは、コミュニティメンバーが提案した中から、Fedoraが決めた命名規則に準じているものが候補とされる。その命名規則とは「前のバージョン(Fedora 16の場合はFedora 15)のコードネームと何らかの関係があり、もう1つ前のバージョンとは関係性がない」というもの。そのほか、あまりに一般的すぎる名称や存命中の人物は不可、など細かいルールがある。
Fedora 16のコードネームと決まったVerneは『海底2万マイル』などで有名なSF小説家のジュール・ベルヌにちなんでいる。Fedora 15のコードネーム「Laverock(ラブロック)」との関係性はというと、「ジェームズ・ラブロック(英国の科学者)は未来学者だった。ジュール・ベルヌもそうだった。だからVerneはFedora 16のコードネームにふさわしい」となるわけだ。
その他の候補を見てみると、たとえば「Mt. Orne」の場合は「Loverockは実在する橋の名前である。Mt. Orneもそうである。だからMt. OrneはFedora 16のコードネームにふさわしい」という具合だ。その他の候補についてはFedora Projectのサイトを参照してほしい。
- Name suggestions for Fedora 16
- URL:http://fedoraproject.org/wiki/Name_suggestions_for_Fedora_16
さて、ここで気になるのが、一時は最有力候補と思われていた「Beefy Miracle」とLoverockの関係性だ。曰く「Loverockという文字列をあるアルゴリズムにかけると5という結果が得られる。Beefy Miracleも同じだ。だからBeefy MiracleはFedora 16のコードネームにふさわしい」 ─では、そのアルゴリズムとは?
アルファベットをAからZまで、順番に数字に置き換えてみる。A=1、B=2、……、Z=26とすると、「Loverock」は
12-15-22-5-12-15-3-11
となる。対して「Beefy Miracle」は
2-5-5-6-25-13-9-18-1-3-12-5
だ。それぞれの数字をすべて足すと、Loverockは95になり、Beefy Miracleは104となる。さらにそれぞれの位の数を足し合わせると、Loverockは
9+5=14 → 1+4=5
Beefy Miracleは
1+0+4=5
という結果が得られる。つまり同じ5という値を得るのだ。
多少こじつけの度合いが過ぎる気もするが、一部のFedoraユーザにはこれが大受けし、Beefy Miracleのキャンペーンページまで作られた。だが、内輪ウケから抜け出すにはあと一歩足りなかったらしく、結局、Fedora 16のコードネームはVerneに落ち着いたことになる。