Scientiftc Linuxの開発チームは7月28日(米国時間)、Scientific Linux 6.1をリリースした。5月にリリースされたRed Hat Enterprise Linux 6.1のクローンOSで、Linuxカーネルのバージョンは2.6.32、対応アーキテクチャはi386とx86_64。ISOイメージ、LiveCD/DVDともに揃った形での正式公開となった。
- Scientific Linux 6.1
- URL:https://www.scientificlinux.org/news/sl61
RHELのクローンOSといえばCentOSがほとんど唯一の存在だったが、ここにきてCentOSの開発に大幅な遅れが生じるようになってきた。Red HatがOracleやCentOSを意識し、クローンOS対策を厳しくしたことがその理由だと見られているが、CentOS 6.0がリリースしたのは7月中旬、RHEL 6.0のリリースから8ヵ月も経ってからであり、あまりの遅さにプロジェクトの内外からきびしい批判が寄せられたことは記憶に新しい。そんな中、これまであまり注目を浴びることがなかった米フェルミ研究所とCERNによるジョイントプロジェクト"Scientific Linux"がそのアジリティな開発スタイルで、多くのユーザの関心を引いた。
CentOS 6.1がいつリリースされるかわからない現状、順調なアップデートを重ねるScientific Linuxが今回の6.1で急激にRHELクローンOSとしての存在感を増すのは確実だ。はたしてCentOSはまた数ヵ月のだんまり期間に入ってしまうのか、それとも涼しくなる前に6.1のリリースにこぎつけることができるのか、今後の開発チームのアナウンスが気になるところだ。