いつものカーネルリリースより開発が遅れているLinux 3.1。10月4日に公開されたrc9が最後のリリース候補版となると見られていたが、Linus Torvalds氏は10月17日、新たにLinux 3.1-rc10を公開した。Linus氏のLKMLへのポストによれば、同氏は10月23日~25日にかけてプラハで開催される「Linux Kernel Summit」の終了後に3.1を公開する予定らしい。
今回のリリースの遅延はKernel.orgのダウンが大きな影響を及ぼしている。何度かお伝えしたとおり、8月にトロイの木馬によるクラッキングの被害にあったKernel.orgは、1ヵ月以上に渡ってサイトをクローズ、すべてのサービスを停止していた。
この間、Linus氏はGitHubを利用してrcを公開していたが、「GitHubはあくまで暫定的な措置。3.1の正式公開も、3.2へのマージもKernel.orgで行う」と明言していた。Kernel.orgが復活したのは10月に入ってから、必然的にGitHubからのマージ作業などもそれ以降となり、開発に遅れが生じてしまったのは仕方のないところだろう。
Linus氏は当初、Linux 3.1をリリースしてから10月初旬に休暇を取ることを予定していたが、リリースが無理だとわかると、予定通り休暇を取っている。このバケーションも開発の遅延に若干影響しているが、さすがにその行為を咎めた者はいない。
いずれにせよめずらしく難産だったLinux 3.1公開が、これでようやく確実になったのは確かのようだ。