Linuxエンジニアはこの不況下にあっても業界問わず全世界で需要が高く、高待遇で採用される傾向が強い ─2月15日、The Linux Foundationが発表した調査レポート「2012 Linux Jobs Report」では、Linuxエンジニアのモテっぷりが具体的な数値とともに紹介されている。
- 2012 Linux Jobs Report(PDFファイル)
本調査は2011年12月6日~16日までの10日間に渡り、企業のマネージャクラスを対象に、IT系キャリアサイトを運営するDiceの協力を得て行われた。有効回答数は約2,300、回答者の所属はSMB(Small and Medium Business)を含む一般企業、政府機関、人材派遣企業など。うち42%の企業が米国に本社を置いており、欧州27%、アジア11%、南米7%と続いている。
ボーナスや給料の削減、人員のリストラなどは、程度の差こそあれ全世界のIT業界で共通する潮流らしいが、本調査によれば、2011年におけるLinuxスキルをもつ技術者の年間給与所得の中央値は5%増加して8万4,000ドル、さらにボーナスの支給額5,000ドル(中央値)がこれに加わるという。
また、回答者の85%が「Linuxエンジニアを見つけるのは非常に難しい」としており、すぐれたLinuxエンジニアを獲得するために、「多めのボーナス」(18%)、「ストックオプション」(7%)などを採用の条件として提示する企業も存在するとのこと。
それだけ採用コストをかけたとしても、得られる見返りのほうが大きいようで、81%の企業が「Linuxエンジニアの採用は優先度が高い」と回答している。最も求める人材は「Linux開発者」(67%)で、その次に「システム管理者」(55%)が続く。「ITマネージャ」(20%)や「外部コンサルタント」(15%)としてのLinuxエンジニアの需要もそれなりにあるようだ。
Linuxが誕生して20年、これまでにないモテキを迎えている気配のLinuxエンジニアだが、彼らが入社条件として最も重視しているのは給与やボーナスよりも「フレキシブルなワークスタイル」(37%)、「トレーニングや認定試験への支援」(30%)だそう。札束をちらつかせるだけではLinuxエンジニアの心をつかむことは難しい時代になったようだ。