The Linux Foundationには数多くのベンダが参加しているが、昨年はトヨタやBroadcomなど、「え、こんな企業がLinuxを!?」という企業の参加が話題となることが多かった。そして今回、そうした企業がもう1社増えたようである。3月7日(米国時間)、NVIDIAのLinux Foundaitonへの参加が発表されたのだ。
Linux FoundationにはすでにIntelとAMDが参加しており、同じチップベンダであるNVIDIAが入ったとしても違和感を覚える向きは少ないかもしれない。だが、Linuxのカーネル開発にも積極的に関与しているIntel/AMDと異なり、NVIDIAはこれまでプロプライエタリなLinuxドライバの提供はしてきたものの、同社製グラフィックカードをリバースエンジニアリングしたOSSプロジェクト"Nouveau"への参加はかたくなに拒否し続けてきたという経緯がある。「Linuxに対応したドライバは提供する。でもそれをOSSで公開することは認めない」という姿勢を貫いてきたのだ。Linuxとは一線を置いた距離を取り続けたNVIDIAの参加で、Nouveauプロジェクトの開発が大きく変わる可能性がある。また、GeForceやTegraなどの同社製GPUプラットフォームのLinux対応が進むことも期待される。
NVIDIAはこれらの点についてはいっさいコメントをしておらず、「我々の参加によって、Linuxの未来をかたち作り、Linuxユーザや開発者にすばらしい体験を提供できるよう、Linux Foundationとコラボレーションしていきたい」と語っている。さまざまな面で、ぜひとも(できれば近いうちに)そうなってほしいと願う。