半年に一度のリリースサイクルを掲げるFedora。2012年春のバージョンであるコードネーム"Beefy Miracle"ことFedora 17が5月29日(現地時間)、無事にリリースした。Fedora初の女性プロジェクトリーダーRobyn Bergeron氏が指揮する最初のリリースとなったが、Beregeron氏は「今回はこれまで最大級と言っていいほど数多くの変更点や機能強化が実施されたバージョン」とリリースノートで表明、"新生Fedora"を協調している。
Linuxカーネルには最新バージョンの3.4系ではなく、1つ前の3.3.4が採用されている。デフォルトデスクトップ環境はGNOME 3.4で、その他にKDE 4.8、LXDE 0.5.5、XFCE 4.8.3などが含まれる。
GNOME 3系に関してはデスクトップユーザからの反発がいまだに強く、たとえばUbuntuはインターフェースをUnityベースに変更したり、Linux MintはGNOME 2ライクなインターフェースを用意しているが、Bergon氏は「我々はGNOMEの最新版を届けていることに誇りをもっている」と明言しており、FedoraがGNOME 3ベースであることは当面変わらないようだ。
開発環境では、デフォルトのJavaランタイムがJava 7になり、プレリリース版ではあるがEclipse SDKの最新版である「Juno」も同梱されている。プライマリコンパイラはGCC 4.7。その他の言語としては、Ruby 1.9.3、PHP 5.4、Erlang R15、D言語など。
今回のリリースでもっとも注目されるのは、Red Hatが会社として注力する仮想化およびクラウド機能の強化だ。まずアプリケーションサーバとしてJBoss AS7が新たに追加され、サーバ仮想化マネジメントのoVirtの機能が向上している。またRed Hatも参画しているOSSのクラウドプラットフォームOpenStackの最新版"Essex"も含まれている。これらはRed Hat Enterprise Linuxにはまだ取り込まれていない機能であり、Fedoraが先行している点も特徴だ。
Fedora 17はすでに各国のサイトでISOイメージのダウンロードが可能な状態になっている。
- Fedora Project
- URL:http://fedoraproject.org/get-fedora