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2012年6月18日Linusが吠えた! ─中指立てて「NVIDIAは世界最悪の企業」

まずは下のYouTubeの画像の48分あたり、メガネをかけた女性がLinusに質問をしている部分から、Linusがそれに答えて会場から拍手喝采を受ける1分ちょっとのくだりを見てほしい。英語がわからなくても問題ない。

なんと公衆の面前で「NVIDIAはこれまで見てきた企業の中で唯一無二の最悪な企業」と断言、そして「NVIDIA: FUCK YOU!」とカメラ目線で中指を立てる過激なパフォーマンスを演じている。

この動画はLinusが先週、母国フィンランドのオタニエミという街にあるアアルト企業家センター(Aalto Center for Entrepreneurship)で行った講演を記録したもの。会場には母国が生んだスターであるLinus Torvaldsの講演を生で聞こうと、多くの学生、起業家、開発者が詰めかけた。そんな公な場で一企業を特定して「FUCK YOU!」と罵声を浴びせたのだから、LinusがNVIDIAに対していかに腹ただしい感情を抱いているかが伺われる。

ちなみに女性の質問の内容は「NVIDIAのハードウェアサポートはひどい。おまけにオープンソースのドライバを出してくれない。ドキュメントもまともに揃っていない。あなた(Linus)はこれについてどう思う?」というもの。Linusは待ってましたとばかり「こういうパブリックな場でNVIDIAを糾弾できて非常にうれしい」と言ったのち、⁠NVIDIAはこれまで付き合いのあるハードウェア企業の中でも最悪のトラブルスポットのひとつ」⁠Linuxコミュニティが)これまで見てきた中で最も本当に最悪な唯一の企業」などと実に冷静に、かつなめらかに罵りの言葉を口にする。そして最後は中指立てて…というわけだ。Linusの口の悪さはいつものことだが、今回は揶揄とか罵倒とかのレベルではなく、NVIDIAに対する宣戦布告のようなニュアンスさえ感じられる。

NVIDIAは今年3月、Linux Foundationに参加を発表し、今後はプロプライエタリなドライバだけでなく、オープンソースのグラフィックドライバ開発にも貢献するのでは……との期待も寄せられていた。しかし、少なくとも3ヵ月後の現時点ではそういった動きは見られていない。それどころかLinuxやオープンソースの活動とは距離を置こうとしている節さえある。今回のLinusのパフォーマンスで、NVIDIAは態度を改めるのか、それともますますLinuxと距離を置く方向に行くのか……残念だが後者の可能性のほうが強いような気がする。

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