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2012年10月9日ARMサポートにext4…次のLinuxカーネルは改善点がいっぱい

先日、無事にリリースされたLinux 3.6だが、夏休みバージョンということもあり、大きな変更点は見られなかったが、そのかわり、次のリリースとなるLinux 3.7はいくつかのアグレッシブな変更が予定されている。

  • 64ビットARMを含む複数バージョンのARMプロセッサのサポート
    … Calxeda、Verasatile Express、Marvell、Altera、Picohipの5つのARMプロセッサを1つに統合してサポート
  • SPARC Tシリーズのサポート
    … 8コアのOracle SPARC-T4をサポート
  • ext4のアップデート
    … オンラインリサイズ機能の改善で16テラバイト以上のでもリサイズ可能に
  • バランスWiiボード
    … 入力デバイスとしてバランスWiiボードの利用が可能に
  • グラフィックドライバ
    … NouveauなどOSS系のグラフィックドライバの大幅な改善

注目はやはりARMサポートの拡充だ。昨年、英国からベアボーンLinuxキットの「Raspberry Pi」がリリースされ、現在も品薄状態が続いており、低消費電力と低コストなモバイルLinuxを実現するARMの新たな可能性として大きく注目された。一方でカーネルの肥大化をきらうLinusは、仕様がベンダごとにばらばらで、バージョンアップのたびに7万行とも言われるコードの追加を迫るARMプロセッサのサポートに"a fucking pain in the ass(めちゃくちゃイラッとする)"と不満をあらわにすることもしばしば。

そこで今回、なるべく少ない行数でより多くのARMをサポートするため、5つのベンダのARMアーキテクチャをシングルカーネルで統一してビルドすることになった。1つのカーネルで複数のARMプロセッサをサポートするのは3.7がはじめてとなる。

おそらく今年最後のアップデートとなるLinux 3.7。どんなエキサイティングなバージョンになるか、いまから期待したい。

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