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2013年3月15日地味で目立たなかったあのディストロが今や最もイノベーティブな存在に!? ─openSUSE 12.3がリリース

The openSUSE Projectは3月13日(現地時間⁠⁠、openSUSE 12.3を正式公開した。Linuxカーネルは3.7、デフォルトデータベースをMySQLからMariaDBに変更、OpenStackパッケージを完全同梱するなど、先進性に富んだバージョンとなっている。

openSUSE 12.3 - Awesome as 1-2-3 : openSUSE News

最大の特徴はやはり物議を呼んだMySQLからMariaDBへの変更だろう。オープンソースでありながらOracleによる情報公開が不透明すぎるとして、FedoraとともにデフォルトデータベースをMySQLからMariaDBに変更することを発表したのが2月のこと。約1ヵ月で正式版リリースに対応し、メジャーディストロとしては初めてMariaDBをデフォルトで採用したことになる。また、ネイティブJSONサポートを備えたPostgreSQL 9.2も含まれているのも新たな特徴のひとつだ。

Linuxカーネルには年末にリリースされたLinux 3.7が採用されている。これにより、RAID 10サポート、省電力機能の向上、Btrfsの改善、NOUVEAUドライバのパフォーマンス向上などが実現している。

また、openSUSEとしては今回初めてオープンソースのクラウドプラットフォームとして最も人気の高いOpenStack "Folsom"をフルパッケージで同梱している。

その他の主なソフトウェアは以下の通り。

  • KDE 4.10
  • GNOME 3.6
  • Xfce 4.10
  • Enlightment 17
  • GCC 4.7
  • Glibc 2.17
  • Firefox 19.0
  • LibreOffice 3.6.3
  • Virtualbox 4.2

いずれのアプリケーションも最新版かそれに近いバージョンがほとんど。先進的でありながら、いかにも正統派のLinuxディストリビューションといった内容となっている。

少し前までは最も先進的なディストロといえばFedoraだったが、最近のFedoraはリリースに遅れが生じることが多く、6ヵ月という開発期間をオーバーすることも増えている。これに対してopenSUSEはスケジュール通りにプロジェクトを回し、正式公開に至るまで何度もマイルストーンを公開、情報公開の透明度も高い。UbuntuやFedora、Mintの影に隠れがちなopenSUSEだったが、ここにきてようやくその存在がクローズアップされるかも……そんな期待を抱かせるバージョンに仕上がったといえる。

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