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2013年9月14日Linusのメインマシンのディスクがダウン、Linux 3.12のコードネームは"自殺リス"に

7つのリリース候補版(rc)を経て、9月2日にリリースされたLinux 3.11。セキュアなテンポラリファイルを作成できるO_TMPFILEフラグやNFS 4.2のプレリミナリサポート、ページをスワップする代わりにメモリ上のページに動的に圧縮して書き込むzswap、32/64ビットARMサポートの拡張など、実験的な要素も多く含んだ機能強化が実施されている。

Linux 3.11がリリースされれば、当然、ユーザ/開発者の関心は次のLinux 3.12へと移っていく。Linus Torvaldsはいつも、正式リリースと同時に次のバージョンのマージウィンドウを開き、1週間後には次のrc1が公開されるのが通常の流れだ。ところが今回は様子が違う。Linux 3.11が正式リリースされてから10日以上経ってもLinux 3.12-rc1が出る気配がないのだ。いったい何が起こったのだろうか。

9月10日、Linus自身がその理由を開発者メーリングリスト(lkml.org)で明らかにした。どうやらLinusのメイン作業マシンのディスク(おそらくIntel製のSSD)が昇天したようである。

RIP - dead harddisk..

この間にもLinusの元にはプルリクエストが山のように届いていたらしいが、当然ながら対応している余裕はなく、現在に至っているようである。

Linusはカーネル3.11のコードネームを「Linux for Workgroups」と名づけていた。その理由は20年前の同じ時期にMicrosoftが「Windows for Workgroups 3.11」をリリースしたことにちなんでいる。バージョン番号に同じ"3.11"という数字を含むことから軽い気持ちで付けたようだが、幸運なことにLinux 3.11はWindows for Workgroupsのように失敗することはなかった。

その代わりに? 縁起の悪さを3.12の開発スタートに持ち込んでしまったらしい。ふてくされたわけではないだろうが、Linusは3.12のコードネームを「Suicidal Squirrel(自殺リス⁠⁠」に変更している。

Bye, bye, WfW flag

「自殺リス」で検索すると、結果にルーマニアのアニメ「Suicidal Squirrel」が表示される。にこやかに拳銃を頭に突きつけて何度も自殺するリス。Linusがこのアニメになぞらえてネーミングしたのかはわからないが、願わくばできるだけ早く、この惨事(?)からにこやかに立ち直ってほしいものである。

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