3月5日(世界標準時)、Ubuntuは4月23日リリース予定の「Ubuntu 15.04(開発コード"Vivid Vervet")」においてデフォルトの起動システムをUpstartからsystemdに置き換えることを明らかにした。
この発表は最初のベータ版が出た後に行われたが、「正式リリースまでのテスト期間で大きな不具合が生じた場合はUpstartに戻すこともありうる(UbuntuデベロッパのMartin Piit氏)」とも表明していた。だが3月23日の最終ベータ版のフリーズ報告ではsystemdにもUpstartについても触れられていなかったため、おそらくこのままsystemdに置き換えられると見られる。
Upstartからsystemdへのリプレースは、UbuntuのベースであるDebianがsystemdの採用を決定した1年前からささやかれていたことでもあり、それ自体はそれほど驚くべきニュースではないかもしれない。だがやはり急な決定である感は否めず、正式リリースを前にしてユーザの間ではまだ混乱が収まっていないようだ。UbuntuのKDE版を提供するKubuntuプロジェクトのJonathan Riddell氏も「世の中がUbuntuのsystemd変更で騒いでいるけど、ぼくたちも同じように混乱している」とこぼしており、突然ログインマネージャのSDDMがdisabledになったトラブルなどを報告している。
UbuntuはサイトでUpstartユーザ向けにsystemdのマニュアルを公開するなど、正式リリースまでに混乱が拡大しないように努めているようだ。
なお、Ubutu PhoneのベースOSである「Ubuntu Touch」は現在のところsystemdには移行せず、Upstartのままのようだ。