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2016年3月2日安心してください、やっと死にました ─SCOがIBMと最終合意へ

長かった法廷闘争がようやく本当に幕を閉じた。2月26日(米国時間⁠⁠、米ユタ連邦裁判所は2003年から続いていたThe SCO Group(すでに破産)とIBMの一連の係争への最終通告となる文書を公開、SCOからIBMに対する訴えのすべてを棄却するとの判決を両者が受け入れたことを発表した。2月9日にSCO側とIBMに対してなされた通告の回答期限が26日だったことを受けての発表となる。

Groklaw - SCO v. IBM 1162(PDFファイル)

SCOが「IBMはSCOの知的財産(UNIXソースコード)を不当に開示して利益を上げている。GNUやLinuxはSCOの知的財産を不法に引用し、成長しようとしている」というトンデモ主張を勢いよく掲げ、SCOがユタ州の地方裁判所に最初の訴えを起こしたのが2003年3月のこと。以来、何度も「お前(SCO)の負け」という判決をつきつけられ、ついには経営破綻となり、CEOを交代する羽目に陥ってもなお、ゾンビのように現れてはオープンソースの世界に不快な石つぶてを投げ続けてきたSCOが、ようやく名実ともに消滅したことになる。

「SCOが破産して以来、SCOに唯一残された財産はIBMへの一連の訴訟案件だけで、しかもこれらはすでに誰も話題にすることがなくなって久しい。これ以上、裁判を続ける意味はどこにもない」という法廷からの最終通告は、そのままSCOの死亡通告となった。

もうほとんどの人々の記憶から消えかかっている事件ではある。だが当時のオープンソース関係者の怒りと不安、そしてその後の労力と心労はやはり忘れてはならない。脅威をきっちりと葬ることの重要性と難しさをあらためて教えてくれた判決だったと言えるかもしれない。

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