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2016年10月17日Linux 4.9-rc1がリリース、いつもより1日早いのは「マージウィンドウが大きくなりすぎたから」

Linus Torvaldsは10月15日(米国時間⁠⁠、Linuxカーネルの次期バージョン「Linux 4.9」の最初のリリース候補版にあたる「Linux 4.9-rc1」を公開した。

Linux 4.9-rc1 -Linus Torvalds

LinusがRC版を公開するのはたいてい日曜日の午後なのだが、今回はいつもより1日早い土曜日のアナウンスとなった。このことについてLinusは「プルリクエストがこれ以上送られてくるのを防ぐためというよりも、今回はあまりにもマージウィンドウのサイズが大きくなりすぎたから」とコメントしている。

マージウィンドウを解放している期間、あまりにも大量のプルリクが送られてくると、Linusはときどき「もうプルリクは控えてくれないか、ものすごいストレスなんだけど」というメッセージを出すのだが、⁠マージの最中にそういうことを言っても無駄だとあきらめた。代わりに早めに閉じることにした」としている。今回もマージウィンドウのサイズが巨大になりすぎたことから、これ以上のアップデートは難しいと判断したもようだ。

だがその分、Linux 4.9はいつもより大きな機能強化が実施される"ビッグリリース"なカーネルとなりそうだ。予定されている数多くのアップデートの中でもLinusが気に入っているのは「Andy Lutomirskiによるカーネルスタックアロケーションの仮想マッピング(HAVE_ARCH_VMAP_STACK)のサポート」とのこと。スタックオーバーフローの発見と復旧を容易にするほか、不要なコードをクリーンアップし、新たなカーネルスタックを追加することでパフォーマンスの低下を防ぐ。ただし、この機能が実装されるアーキテクチャは現時点ではx86_64のみとなっている。

virtually mapped stacks -Andy Lutomirski

開発が順調に進めば、Linux 4.9の正式リリースは12月11日ごろになると見られる。

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