The Fedora Projectは11月22日(米国時間)、「Fedora 25」を正式公開した。当初の予定よりやや遅れたリリースとなったが、Fedoraらしく最先端のLinuxを実現したディストリビューションに仕上がっている。エディションのラインナップとしては、デスクトップの「Fedora Workstation」、サーバの「Fedora Serer」、初リリースとなるクラウドに最適化した「Fedora Atomic」のほか、デスクトップ環境にKDEやXfceを採用した「Spin」各種が揃っている。
- Fedora 25 released! -Fedora Magazine
Fedora 25はカーネルに現時点で最新のLinux 4.8を採用、デスクトップ環境にはGNOME 3.22を搭載している。そして今回はじめてデフォルトのディスプレイサーバとしてWaylandを実装、X11からのリプレースを図っている(X11も選択可能)。その他、デスクトップ版で注目される新機能としては、MP3デコードのサポートや、USBメモリなどにFedoraのイメージを書き込み、さまざまなデバイス/マシンでのFedoraのインストール/起動を容易にする「Fedora Media Writer」などが挙げられる。
サポートされているソフトウェア群も最新版が多く、Docker 1.12、Node.js 6.9.1、Rust、PHP 7などが搭載されている。また、Pythonに関しては2.6、2.7、3.3、3.4、3.5と複数のバージョンをサポートしており、Pythonのフォーク(PyPy、PyPy3、Jython)にも対応しやすくしている。
すでに旧バージョンのFedoraを使っているユーザであれば、新たにFedora 25のブートイメージを作成する必要はなく、GNOMEソフトウェアからアップグレードプロセスを実行するか、コマンドラインからDNFアップグレードを実行すれば容易にアップグレードが可能だ。
なお、今回初のリリースとなったFedora Atomicは以前の「Fedora Cloud」をリプレースしたエディションで、コンテナベースのワークロードに最適化されている。OpenStackベースのアプリケーション開発環境などでの利用が想定されており、容易で迅速なアプリケーションデプロイをコンテナベースで実現する基盤OSとして期待される。