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2017年4月10日GNOMEとWaylandにようこそ! Red HatがUbuntuのデスクトップ変更に歓迎コメント

Ubuntuファウンダーのマーク・シャトルワース(Mark Shuttleworth)が4月5日に発表したUnity 8開発中止のアナウンスは、世界中のUbuntuユーザに大きな衝撃を与えた。このアナウンスにより、Unity 8をインタフェースとして前提していたUbuntu PhoneおよびUbuntu Convergenceの開発は中止となり、また2018年4月にリリース予定のUbuntu 18.04のデスクトップ環境はUnityからGNOME/Waylandベースに変更されることがほぼ確実となった。

この決定に関して、Ubuntuユーザ/開発者の間では動揺が続いているが、それとは別にシャトルワースのアナウンスを歓迎している向きもある。Red HatでFedora開発チームに所属するクリスチャン・シャーラー(Christian Schaller)は4月6日、⁠UbuntがGNOMEとWaylandに来ることを歓迎する(Welcoming Ubuntu to GNOME and Wayland⁠⁠」と題したブログエントリをポストし、⁠Red Hatのチームを代表して今回のCanonicalとUbuntuの決定を喜んでいる。彼らとともに、GNOME、Wayland、そしてできればFlatpackも一緒に開発を進められることを楽しみにしている」と全面的な歓迎の意を表している。

Welcoming Ubuntu to GNOME and Wayland | Christian Schaller

シャーラーは「Linuxデスクトップの世界が統合される方向に向かうことは非常に喜ばしい」といい、Ubuntu/CanonicalがFedora/Red HatやSUSEとデスクトップ開発で同じ情報を共有していくことで、ISVなどのパートナー企業がソフトウェアやUIを開発しやすい環境が整うとしている。サーバと比較してデスクトップの裾野が拡がらないことはLinuxの長年の課題であったが、有力なディストリビュータの足並みが揃いはじめれば、デスクトップユーザの拡大が期待できるのはたしかだろう。実際、UbuntuがUnityをやめるという決定は、UnityをLinuxデスクトップの標準にすることをUbuntu/Canonicalが諦めたとも言い換えられるからだ。

もっとも今回のシャトルワースのアナウンスは情報が限定的であり、今後、どういった方針になるかはまだ予断を許さない。シャトルワースの「選択と集中」の判断は、しばらくLinux界隈に大きな波紋を呼びそうだ。

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