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2017年4月19日Ubuntu GNOMEはディスコンへ ―デスクトップの独自開発からフェードアウトするUbuntu

4月5日にアナウンスされたUnity 8の開発中止は、Ubuntuのデスクトップ周りだけではなくUbuntuエコシステム全体にじわじわと影響を与えつつある。Ubuntu GNOMEチームの開発者であるJeremy Bichaは4月13日、⁠Ubuntu GNOME 17.04のリリースとその次に起こること(Ubuntu GNOME 17.04 Released and What's Next⁠⁠」と題したエントリを投稿し、Ubuntu GNOMEチームがUbuntu Desktopチームと統合される予定であることを明らかにした。10月リリース予定のUbuntu 17.10以降、Ubuntu GNOMEの開発は終息へと向かうことになる。

Ubuntu GNOME 17.04 Released and What's Next

デスクトップ環境にGNOME Shellを提供するUbuntu GNOMEは2013年からUbuntuのオフィシャルな派生ディストリビューションとしてリリースを続けてきた。Ubuntu 17.04と同日に公開されたUbuntu GNOME 17.04には最新の安定版であるGNOME 3.24が搭載されており、⁠プロジェクト史上、はじめて最新の安定版のGNOMEを含めることができたリリース」⁠Bicha)となった。

しかし同時に、Ubuntu GNOMEの開発は17.04のリリースをもってほぼ終了となってしまった。Ubuntuは今後、UnityからGNOMEへとデスクトップ環境を変更し、2018年4月にリリース予定のUbuntu 18.04 LTSではGNOMEを実装したUbuntuが登場する見込みだ。つまり本家と別にGNOME Shellを搭載したプロジェクトであるUbuntu GNOMEを続ける理由がなくなったことになる。Bischaのエントリによれば、すでにUbuntu DesktopとUbuntu GNOMEは連携モードに入っており、ひとつのチームとして徐々に統合を図っているフェーズだという。

Ubuntuファウンダーのマーク・シャトルワースはUnityからGNOMEへの変更に際し、⁠GNOMEの)カスタマイズは最小限にとどめる」ことを公言しており、デスクトップ開発に割り振るリソースを抑える方針を明らかにしている。Ubuntuが発揮すべき独自性はデスクトップではない - Ubuntu 17.04という新バージョンをリリースしたばかりのUbuntuだが、プロジェクトすでに1年後に向かって動き始めている。

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