The Debian Projectは4月25日、これまで「ftp.debian.org」として提供してきた公式のFTPサーバを、2017年11月1日付けでシャットダウンすると発表した。
- Shutting down public FTP services
閉鎖の理由については、現状のFTPサーバにはキャッシングおよびアクセラレーションのサポートが提供されていないこと、FTPサーバへのソフトウェア実装やアップデートがなかなか行われないこと、そもそも現行のDebianインストーラはもう10年以上FTPオプションを提供していないこと、プロトコルが現在のネットワーク環境に適していないこと、などが挙げられている。FTPサービスそのものがインターネットの世界でほとんど使われなくなったことを反映した決定だといえるだろう。
プロジェクト側はドメイン名としての「ftp.debian.org」はそのまま残すとしており、ユーザがFTPサーバ、もしくはミラーサーバにアクセスしてきた場合はFTPではなくHTTPによるアクセスが提供されることになる。たとえば「ftp://ftp.debian.org」でアクセスしても自動的に「http://ftp.debian.org」に変換されるという。なお、開発者向けのサービスである「ftp://ftp.upload.debian.org」「ftp://security-master.debian.org」は今回の決定の影響を受けず、引き続き継続して提供される予定だ。