CanonicalのソフトウェアエンジニアでUbuntuリリースチームのDimitri John Ledkovは9月27日(世界標準時)、10月19日リリース予定の「Ubuntu 17.10(開発コード: Artful Aardvark)」では、32ビット(i386)アーキテクチャのインストールイメージを含めないことを開発者向けメーリングリストで明らかにした。
32ビット版サポートに関してはその継続をめぐってUbuntuコミュニティの間でも長く議論されてきたが、Ubuntu 17.10のGAを約3週間後に控えた現在、リリースチームとしては最終的に32ビットを捨てる結論に至ったようだ。
- Change of scope and target market for i386
Ledkovは開発メンバーに対し、作業中のバージョン(ベータおよびファイナル)から32ビット版のISOイメージを取り除くように指示しており、「Ubuntu 17.10においては ubuntu-desktop-i386.isoは出荷されない」としている。さらに今後は、32ビットハードウェア上での品質保証(QA)やテストもリリースチームとして行わないことも明らかにしている。
なお、今回のUbuntuの決定にKubuntuやLubuntu、XubuntuなどUbuntuの派生ディストリビューションが追随する様子はいまのところないようだ。Ubuntu 17.10のリリース時期が迫っていることに加え、LubuntuやXubuntuは古いタイプのハードウェア上に数多く搭載されており、32ビットアーキテクチャをこれらのディストリビューションが今すぐドロップすることはないと見られている。
ここ1、2年、32ビットアーキテクチャを捨てる動きは加速しており、今回、予想よりも早くUbuntuが32ビットから離れる決定をしたことで、その傾向はますます強まりそうだ。