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2018年8月24日 Red Hat Enterprise Linux 7.6がベータ版に,新ツールキット「Podman」でコンテナシフトを加速

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Red Hatは8月22日(米国時間)⁠同社の顧客向けに「Red Hat Enterprise Linux 7.6」のベータ版の提供を開始したことを発表した。

Red Hat Enterprise Linux 7.6 Beta now available -Red Hat blog

TMP(Trusted Platform Module)⁠ 2.0によるハイブリッドクラウドにおけるセキュリティ/コンプライアンスの向上,eBPF(extended Berkeley Packet Filter)の実装によるモニタリングの強化など多くのアップデートが図られているが,その中でももっとも注目度が高いのが,RHELの"コンテナOS"化を加速するとみられるオープンソースのツールキット「Podman(Pod Manager)⁠だ。

Reintroduction of Podman -Project Atomic

Podmanはちょうど1年ほど前にRed Hat社内でスタートしたプロジェクトで,もともとは同じRed Hatが独自開発するKubernetes用コンテナランタイム「CRI-O」プロジェクトの一部だったが,現在はそれぞれ別々のツールとして開発が進んでいる。

PodとはKubernetesプロジェクトの用語のひとつで,1つ以上のコンテナ化されたプロセスを複数のネームスペース(ネットワーク,IPC,PIDなど)と共有するオブジェクトを指している。Podmanプロジェクトはこの"pod"をユーザがシンプルな手法で柔軟に扱えるよう,ライトウェイトなコンテナオペレーションの実現をゴールに設定している。たとえばコマンドラインからスタンドアロンのコンテナをAPI経由で実行したり,⁠pods」と呼ばれるコンテナのグループをユーザの手で実行できるようにする,といった具合だ。もちろんエンタープライズグレードなセキュリティも担保される。

PodmanのCLI(コマンドラインインタフェース)はDockerのCLIをベースにしており,現時点では,Docker 1.13で用意されている40のコマンドのうち30を実装している。ただしDockerとは異なり,スタンドアロンのコマンドを実行する際に余計なデーモンを走らせる必要はなく,sytemdまたはリモートAPI経由で必要なサービスを呼び出して実行できる。Podmanはライトウェイトであることを重視しており,こうした軽量化の施策はRHEL 7.6の正式リリースまでにさらに進むとみられる。

なお,PodmanはPod内でOCIベースのコンテナを実行するためのライブラリ「libpod」のデフォルトのCLIツールとして提供されている。英単語の「pod」には"海洋生物の一群"という意味もあるが,それがアイコンのキャラクターに表れている。

GitHub - containers/libpod: libpod is a library used to create container pods

libpodのReadmeより

libpodのReadmeより

PodmanはすでにFedora 27およびFedora 28に含まれて提供されているが,RHELにおける提供は今回が初めてとなる。CoreOSの買収など,ここ1,2年でコンテナ,とくにKubernetesへのシフトを急速に強めているRed Hatだが,PodmanによりRHELにおけるコンテナネイティブ化も一段と加速しそうだ。

著者プロフィール

階戸アキラ(かいとあきら)

起きてからまず海外ニュースサイトのハシゴをしないと1日を始められない海外ニュースウォッチャー。英語は英検準一級の資格を持ち,日本人と話すより英語圏の人のほうがウマが合う。

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