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2018年11月1日「Fedora 29」正式リリース、モジュラリティを完全実装

Fedora Projectは10月30日(米国時間⁠⁠、⁠Fedora 29」の正式リリースを発表した。デスクトップ版の「Workstation⁠⁠、サーバ版の「Server」のほか、Kubernetes/コンテナ利用に特化した「Atomic Host⁠⁠、KDEやMATEなどGNOME以外のオルタナティブデスクトップ環境をサポートする「Spins⁠⁠、天文学やデザイン、サイエンスなど特定の用途にフォーカスした「Labs⁠⁠、クラウド環境のベースイメージ「Cloud⁠⁠、ARMベースのマシン向けイメージ「ARM devices」といったエディション/イメージが用意されている。

Announcing the release of Fedora 29 - Fedora Magazine

Fedora 29の最大の特徴について、プロジェクトリーダーのMatthew Millerはモジュラリティ(Fedora Modularity)の完全実装を挙げている。これにより、ユーザはそれぞれのニーズに応じてアプリケーションパッケージのアップグレードを行うことが可能になる。たとえば同じFedora 29でNode.jsを使うケースでも、バージョン8で十分なユーザもいれば、バージョン10が必要なユーザもいる。またベースのOSはつねに最新版に自動でアップグレードしたいが、特定のアプリケーションはアップグレードせずに同じバージョンで使いたいというニーズもある。モジュラリティの実装により、そうした個々のニーズへの柔軟な対応が可能になる。

Fedora 29のカーネルにはLinux 4.18、デフォルトのデスクトップ環境にはGNOME 3.30が実装されている。Fedora Projectは最初のリリースである「Fedora Core 1」の登場から15年が経過したが、MillerはFedora 29を「これまでで最高のオペレーティングシステム」と評している。次のバージョンである「Fedora 30」ではIoTエディションも追加される予定だが、こうした最先端のテクノロジを果敢に取り入れていくFedoraの開発スタイルが、IBMによるRed Hat買収完了後も続くことを願うばかりだ。

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