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2019年5月7日Linux 5.1がリリース、新しい非同期I/Oインタフェース、2038年問題対策など

Linus Torvaldsは5月5日(米国時間⁠⁠、⁠Linux 5.1」の正式公開をアナウンスした。約2ヵ月の開発期間と合計7本のリリース候補(RC)版を経ての公開となる。

Linux 5.1 :Linus Torvalds

Linux 5.1におけるおもな変更点は以下の通り。

  • バッファあり/なしの両方をサポートするハイパフォーマンスな非同期I/Oインタフェース「io_uring」
  • ファイルシステムの変更を監視する「fanotify」に再帰的な監視を可能にする「Super block root watch」機能を追加
  • /proc/pidからファイルディスクリプタを取得し、再利用されるプロセスID(PID)を安全に呼び出す
  • NVDIMMなどパーシステントメモリをRAMとして利用可能に
  • CPUアイドル(cpuidle)ガバナーとして、眠りの深さにもとづいて判断する「menu」のオルタナティブとなる「TEO(Timer Events Oriented Governor⁠⁠」を追加、省電力効果はそのままでパフォーマンスを改善
  • 2038年1月にコンピュータが誤動作する可能性がある「2038年問題」対策として、32ビットのtime_t型を64ビット化する作業を完了
  • Btrfsにおいて、圧縮アルゴリズム「Zstd」の圧縮レベルを指定可能に
  • initarmfsなしでデバイスマッパー上のデバイスをブート可能に
  • ライブパッチにおける依存関係を解決し、累積的なパッチ(cumulative patches)を一度で実現する「Atomic Replace」

LinusはLinux 5.1のリリースに伴い、⁠Linux 5.2」のマージウィンドウを2週間に渡ってオープンする。なお、マージウィンドウのオープン期間中にLinusの長女が大学の卒業式を迎えるため、数日間に渡りLinusがオフラインとなるが、これについてLinusは「最悪の場合はマージウィンドウを延長するかもしれないが、その必要はないと思っているよ」とコメントしている。

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