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2019年7月2日 Xからの脱却 ―Fedora,次バージョンでのデスクトップ改善ポイントを提示

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多くのLinuxディストリビュータを悩ます長年のハードルのひとつが,デスクトップ版ユーザ層の拡大だろう。ビジネスユーザやコンシューマがWindowsやmacOSのようにデスクトッププラットフォームとしてLinuxを使う日が来ることを夢見て,Linuxデスクトップ開発者たちは長いこと努力を続けてきたが,残念ながらそれが報われる気配はあまり感じられない。たとえば「NetMarketShare」のデータを見ると,2019年5月のデスクトップLinuxのシェアは1.37%で,サポートが停止しているWindows XP(2.22%)よりも少ない。

Operating System Market Share by Version

だがそうした中にあっても,ほとんどのLinuxディストリビュータは"使ってもらえる"デスクトップをめざして開発を続けている。デスクトップへのフォーカスをずっと続けているFedoraはその代表的な存在だ。6月24日(米国時間⁠⁠,Red Hatでデスクトップ開発部門のシニアマネージャを務めるChristian Schallerは自身のブログに「On the Road to Fedora Workstation 31(Fedora Workstation 31に向けて⁠⁠」という投稿をポストし,2019年10月にリリースが予定されている「Fedora 31」のデスクトップ版(Fedora Workstation)について,現在進めている取り組みを公開している。

On the Road to Fedora Workstation 31 -Christian F.K. Schaller

Schallerによれば,Fedora Workstation 31ではGNOMEとXサーバ(XWayland)の完全な分離,PipeWireによるJack/PulseAudioのリプレース,Flatpakによるアプリケーションデプロイの本格化,開発者のためのイミュータブルな環境をコンテナとして提供するFedora Toolbox⁠,GNOME 2スタイルを提供する「GNOME Classic」モード,大規模組織向けの設定ツール「Fleet Commander」でのAtctive Directoryサポート,指紋認証サポートなどが予定されているとのこと。

とくに力を入れているのが最初に挙げている"Xからの脱却"で,⁠GNOME ShellはXWaylandなしで動作させなければならない」とXと依存関係にあるデーモンの削除に取り組んでいるという。Fedora 31では9月リリース予定の「GNOME 3.34」の実装が期待されているが,Schallerは「GNOME 3.34もしくはその次のGNOMEに 3.36で,⁠Xからの完全な分離を)宣言できると思っている」とコメントしている。Fedora 31でのデスクトップユーザ増につながるか,注目したい。

著者プロフィール

階戸アキラ(かいとあきら)

起きてからまず海外ニュースサイトのハシゴをしないと1日を始められない海外ニュースウォッチャー。英語は英検準一級の資格を持ち,日本人と話すより英語圏の人のほうがウマが合う。