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2019年8月14日Linuxメディア配布サイト「OSDisc.com」、16年の歴史に

いまでこそOSのダウンロードやアップデートはインターネット経由で行うのが一般的だが、15年ほど前まではOSに限らず、大容量のデータをネットから落とすには回線スピードをはじめとするさまざまなハードルがあった。高速なインターネット環境が誰もが利用できるようになるまでは、ネットの遅さを補完するサービスとして、CDやDVD、あるいはUSBドライブなどのメディアにデータを焼いて配布するプロバイダがいくつか存在していた。Ramsey Brennerが創立したOSDisc.comもそうしたサービスを提供していた事業者のひとつだ。8月5日、Brennerはサイトのトップページに「OSDisc.com Has Closed」というメッセージを掲載、16年間の歴史に幕を下ろすことを明らかにした。

「私は16年前、Linuxを普及させ、新しいユーザがLinuxの世界に入りやすくなることを願って、OSDiscを立ち上げた。しかしいまとなっては(OSを焼いた)DVDを配布したとしても、それがLinuxの普及に影響を及ぼすことはほとんどない。何万もダウンロードされているディストロがあっても、そのディストロがOSDiscから提供されることもほとんどなくなった。現在、Linuxユーザの大多数は自分でLinuxをダウンロードしている。そしてそれは素晴らしい光景である」―インターネットから誰もが簡単にOSがダウンロードできるようになることこそ、Brennerが見たかった世界であり、物理メディアによる配布はもうその使命を終えたとして、サイトの閉鎖に至ったとしている。

この16年でOSDiscが成し遂げた功績として、Brennerは以下を挙げている。

  • 30万以上のディスクおよびUSBドライブの発送
  • 11万人以上の新規Linuxユーザのヘルプ
  • 2万5000以上の技術サポートチケットへの回答
  • オープンソースコミュニティへ20万ドルの還元

テクノロジが洗練されるとそれに付随した新しいサービスが生まれ、過去のリソースにひもづいていたサービスは使われなくなる。16年間に渡っても多くの実績を残したOSDiscも、時代とともにひっそりとその役割を終えたようだ。

OSDisc.comにアクセスすると表示されるRamsey Brennerからのメッセージ
Ramsey Brennerからのメッセージ

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