SUSEでストラテジー、アライアンスおよびマーケティング部門のプレジデントを務めるMichael Millerは10月9日(米国時間)、「顧客のニーズを満たすため、SUSEはアプリケーションデリバリにフォーカスする(SUSE Focusing on Application Delivery to Meet Customer Needs)」と題したブログをポストし、これまで提供してきた「SUSE OpenStack Cloud」の新バージョンの開発および既存プロダクトの販売を中止することを明らかにした。
- SUSE Focusing on Application Delivery to Meet Customer Needs - SUSE Communities
SUSEは今年4月にHPEから買収したOpenStackプラットフォーム「HPE Helion」をベースにした「SUSE OpenStack Cloud 9」を発表しているが、リリースからわずか6ヵ月で事実上の事業撤退を余儀なくされたかたちだ。
OpenStackクラウド事業の中止についてMillerは「KubernetesやDevOpsといったテクノロジトレンドとそれらに対する顧客のニーズにもとづき、アプリケーションデリバリにフォーカスするため」とコメントしており、今後は「SUSE Cloud Application Platform」および「SUSE CaaS Platform」を同社の主力製品として展開していく意向を示している。なお現時点でSUSE OpenStack Cloudを利用しているユーザに対しては、サブスクリプション契約が残っている限り、引き続きサポートしていくとしている。
OpenStackは現在でも"世界で最も開発者の多いオープンソースコミュニティのひとつ"であり、SUSEもOpenStackファウンデーションのメンバー企業ではあるが、数年前に全盛を誇っていたクラウドプラットフォームとしての勢いはすでに失っており、かわりに現在はKubernetesがその地位にある。SUSEは2019年3月に再び独立企業としてのスタートを切っており、その1ヵ月後にはHPE Helionの統合という大きな決断をしている。だが今回のOpenStack事業からの撤退発表は、Helion以上に大きなインパクトを社内外に与えることになるかもしれない。