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2019年10月25日お使いのデバイスでは視聴できません ―「Disney+」"エラーコード83"に込めたメッセージ

ウォルト・ディズニー・カンパニーが2018年11月に発表した同社独自のストリーミングサービス「Disney+」は11月12日から米国、カナダ、オランダにおいてサービスをローンチする予定となっている。あのディズニーが直々に提供する動画サービスとあって、発表当初より世界中から大きな注目が集まっていたが、正式サービスのローンチがまもなくというこの時期に、Linuxユーザにとってはあまりうれしくない事実が判明したようだ。

Disney+ streaming uses draconian DRM, avoid - Hans' hacking log — LiveJournal

オランダ在住のFedoraパッケージメンテナーであるHans de GoedeもDisney+のローンチを楽しみにしていたひとりである。2人の子供をもつGoedeは、Disney+の最初のサービス提供国にオランダが含まれていると知り、さっそく本サービス前に提供されるテストサービスのサブスクリプションを申し込んだ。

ところがGoedeのFedoraデバイスではどれもDisney+のストリーミングを映し出すことができない。最初はFirefoxで試したが、ブラウザ画面に表示されたのは「Error Code 83」というメッセージのみ。それならChromeで、とトライしたが表示されるのはやはり同じエラーコードである。仕方なくGoedeはDisney+のヘルプデスクに宛て、⁠ほかのストリーミングサービス ―NetflixやAmazonPrime Videoやその他のWebアプリケーションの動画サービスであっても、契約しているローカルプロバイダ経由でLinux上で問題なく見ることができる」という説明も付け、Linuxデバイスでストリーミングが視聴できない旨をメールで訴えた。メール送信後、Disney+からは「24時間以内に返答する」というレスポンスが届くが、実際にGeodeのもとに回答が届いたのは1週間後だった。

「エラー83についてはよくお問い合わせいただきます。この現象は、お客様がDisney+をWebブラウザ、または特定のデバイスから視聴しようとするときに起こりやすいようです。我々のIT部門はこの問題を解決するために懸命に努力しています。問題が解決するまでの期間、お客様におかれましてはスマートフォンまたはタブレット上のアプリからDisney+をご覧になることをお薦めします。数日経っても同様のエラーが起こるようでしたら、ヘルプセンターにお問い合わせください」

Goedeがこのメールを受け取ったのが9月23日のことである。⁠なるほど、じゃあ数日後には見られるようになるかな」と待っていたGoedeだが、待てど暮らせど問題が解決する気配はなく、約1ヵ月が経過した。インターネット上にはGoedeと同様に"Error Code 83"に悩まされている人々であふれており、しかもLinuxに限ったトラブルではないうようだ。調べていくうちに、Geodeはオランダのテクノロジニュースサイト「Twealers.net」であるユーザの書き込みを目にする。それによれば、このエラーコードは"Widevine"エラーであり、Disney+はWidevineが提供する3つのセキュリティレベルの中でももっとも厳しいレベル、つまりほとんどのAndroidデバイスやデスクトップLinux、Chromebookではストリーミングがまったく視聴できないレベルに設定されているという。

WidevineとはGoogleがコンテンツ提供者に提供する、Chrome/Android向けのDRM用モジュール(CDM:Content Decryption Module)で、LinuxやAndroidデバイスの場合、もっとも低レベルのソフトウェアエンクリプションしかサポートされていない。したがってたとえばNetflixのストリーミングサービスをデスクトップLinux上で見ようとしても、フルHDや4K解像度では楽しむことはできないが、それ以外は問題ないレベルであり、⁠DRMとユーザビリティのバランスとしては許容範囲」⁠Geode)にある。だがDisney+の場合、ほぼすべてのLinux/Androidデバイスを最初から門前払いする設定がなされており、現時点ではユーザ側になすすべはないようである。⁠Disney+を申し込むかわりに、Linuxをサポートしないなら(Disney+を)ボイコットすると同社にメッセージを送ろう」と呼びかけている。その声ができるだけ早くDisney+に届くことを望みたい。

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