Free Software Foundation(FSF)でシニアシステムアドミニストレータを務めるAndrew Engelbrechtは2月25日、FSFのブログに「Coming soon: A new site for fully free collaboration」というエントリを投稿し、2020年内に「forge」という名前でパブリックコードのホスティング/コラボレーションプラットフォームをローンチする計画を発表した。forgeにはマージリクエストやバグトラッキング、開発ツールの提供といった機能は含まれるが、あくまで以前からFSFで運用してきた「Savannah」サーバ群を補完する存在として位置づけられており、Savannahのメンテナンスとサポートは今後も継続していくという。
- Coming soon: A new site for fully free collaboration -Free Software Foundation
FSFがforgeを開発する理由についてEngelbrechtは、多くのフリーソフトウェアの開発が「みずからのソースコードをパブリッシュしないサイト、プロプライエタリソフトの使用を要求または推奨するサイト」、つまりGitHubやGitLabといった商業プラットフォーム上で行われていることを挙げており、forgeではGNUの倫理基準「GNU Ethical Repository Criteria」に則ったソースコードホスティングを行うとしている。
またforge自体の倫理基準における評価に関しては当初は「B(推奨するのに十分)」を目指し、ローンチ後には「A(エクセレント)」を獲得できるように体制を整えるとしている。なお、評価Bを獲得するにはノンフリーのJavaScriptを遮断するFirefoxのアドオン「LibreJS」をサポートし、サードパーティトラッキングをいっさい含まず、適切なライセンスを選択しているなどの条件が課せられる。
FSFは以前からGitHubやGitLab、SourceForgeといったメジャーなコードホスティングサービスに対して批判を続けており、とくにLibreJSでは動作しないGitHubは倫理基準で評価を「F(受け入れられない)」とするなど厳しい態度を取っている。一方でメジャーで人気の高いオープンソースの多くがGitHub/GitLabで開発されており、Savannahの存在感は薄い。forgeによるテコ入れがFSFにどんな効果をもたらすかが注目される。