驚異的なスピードで全世界に感染爆発を引き起こしている新型コロナウイルス「COVID-19」と闘う医療関係者をバックアップすべく、いくつかのテクノロジベンダが自社技術によるサポートを表明している。3月下旬にアイルランド・ダブリンで予定していた年次カンファレンス「SUSECON 2020」の開催をCOVID-19の感染拡大により中止したSUSEもそのひとつだ。
SUSE CEOのMellisa Di Donatoは3月25日(ドイツ時間)、同社のブログに「SUSE's Commitment to Combat COVID-19」というエントリをポストし、COVID-19と闘う全世界の医療機器メーカーに対し、同社のOSおよびコンテナテクノロジを無償で提供することを表明している。
- SUSE's Commitment to Combat COVID-19 -SUSE Blog
今回、SUSEが医療機器メーカー向けに無償提供する製品は以下の通り
- SUSE Linux Enterprise
- SUSE Embedded Linux
- SUSE Caas Platform
- SUSE Cloud Application Platform
新型コロナウイルスは感染拡大のスピードが非常に速く、またその生態に不明な点も多いため、医療関係者はこれまでにないスピーディな対応と既存の常識にとらわれない発想の転換を求めらられている。SUSEはテクノロジベンダとしてこうした医療関係者のニーズに応えるため、おもにハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)の分野でハードウェアベンダと協力しながらソリューションを提供してきた。同社の顧客にはメルク(Merck)、Roche(ロシェ)、マックス・プランク研究所(Max Planck Institute)など欧州の大手医薬品メーカーが多く名を連ねており、現在もSUSE Enteprise Linuxをベースにしたスーパーコンピュータ上でCOVID-19の研究が進められているが、今回はさらに組込み機器を含むハードウェアメーカーへの支援を表明することで、ライフサイエンス業界全体のサポートを拡大する。
「私は強く信じている - 世界でもっとも大きなチャレンジに挑むソリューションを作るべくともに働くとき、我々は今までよりもずっと強くなることを。我々のオープンソースコミュニティは現在のようなモーメントに立ち向かうために作られたのであり、ともに進むことで、我々はやり遂げられる」(Mellisa Di Donato)