DebianプロジェクトのAndreas Tilleは3月27日(ドイツ時間)、Debian開発者メーリングリストに宛てて、4月5日~11日の期間中に開催されるオンラインイベント「COVID-19 Biohackathon」にTilleらが中心メンバーとして活動する「Debian Med」チームが参加すること表明し、Debianコミュニティメンバーに対しても支援を呼びかけている。
- Debian @ COVID-19 Biohackathon (April 5-11, 2020)
COVID-19 Biohackathonは、COVID-19の解析に有効な分析ツールの開発を進めるためのハッカソンで、開発者サイドがオープンソースやオープンデータを武器にバイオメディカル分野への貢献をめざすプログラム。「FAIR Data」「Workflows」「COVID-19 Feeds」といったトピック/グループが用意されており、参加者はワーキンググループごとにビデオ会議やメール、IRCなどを使って互いにコラボレーションを図る。参加希望者はメーリングリストに参加し、wikiから各グループに参加する(トピック/グループを作成することも可能)。
- virtual-biohackathons / covid-19-bh20 :COVID-19 Biohackathon April 5-11 2020 -GitHub
Debian Medは、Debianに含まれる膨大なパッケージから適切なリポジトリをそのまま用いて特定の用途に最適化したオペレーティングシステムを再構築する「Debian Pure Blends」と呼ばれる取り組みのひとつで、臨床医学および生物医学研究のニーズを満たすDebianとして関連するソフトウェアの統合が進められている(メタパッケージはmed-*)。
- Debian Med
- Debian Med Project Ploicy
Debian MedではすでにCOVID-19に対応する動きとして、関連ソフトウェアのバグを発見/修正する「covid-19-bugs」やCOVID-19に特化したパッケージングを進める「covid-19-packages」などを実施してきたが、今回、コミュニティとしてCOVID-19 Biohackathonに参加することで、よりいっそうの貢献を目指していく構えだ。なお、Debian Medにおける優先度の高いアーキテクチャはAMD64で、ARM64、PowerPC、IBM S/390がこれに続いている。
TilleとともにDebian MedをリードするMichael R. Crusoeは「(ハッカソンに関わる)ほとんどのタスクは生物学や医学の知識がなくても問題ない。バグトリアージ、テスト、ドキュメント化、CI、翻訳、パッケージング、コードコントリビューションなど、どんな貢献でも歓迎する」とコミュニティメンバーに呼びかけている。Debian Medは専用のメーリングリストも用意しており、ハッカソンへの参加もこのメーリングリストを通して行われる予定だ。