新型コロナウイルス「COVID-19」の感染拡大により、2020年2月以降、大規模なITカンファレンスはどの国でもキャンセルとなり、オンライン開催に切り替わったものがほとんどとなっている。すでに秋以降の大型イベント開催も危ぶまれている状況だが、そうした中、The Linux Foundationは4月2日(米国時間)、会員向けメーリングリストに6月22日~24日に米オースティンで開催予定の「Open Source Summit + Embedded Linux Conference North America 2020」のキーノートスピーカーを発表するとともに、イベントの開催スタイルをリアルかバーチャルにするかについて、4月16日(米国時間)に最終決定すると伝えている。また同時に、Linux Foundationにおける現状での新型コロナウイルスへの対策も明らかにしている。
Linux Foundationは新型コロナウイルスの感染状況を見極めつつ、4月16日にはリアルかオンラインかの決断を行うとしており、参加希望者にも16日までは登録を控えてほしいと呼びかけている。
Linux Foundationは「リアルでもオンラインでも、どちらの開催スタイルであっても我々は期待以上の価値あるナレッジ、コンテンツ、そしてコラボレーション体験を提供する」と強調している。発表されたキーノートスピーカーにはLinus Torvaldsをはじめ、VMwareのChief Open Source Officerを務めるDirk Hohndel、Jenkins開発者で2020年1月にLauchableという企業をローンチした川口耕介氏などが名前を連ねている。
新型コロナウイルスの急激な感染拡大を受け、2020年の大型ITイベントは秋以降も開催見通しが立っておらず、オンライン開催のみにフォーカスしている企業も少なくないが、オンラインでは十分に得られないコラボレーションや情報、体験を求め、Linux Foundationのようにぎりぎりまでリアルイベント開催の道を模索しているところもある。Linux Foundationは6月に「Linux Security Summit North America」「Cloud Foundry Summit North America」などいくつかのリアルイベントを予定しているが、Open Source Summitと同様に、注意深く開催可否を検討していくようだ。