「ブラックリスト/ホワイトリスト」「マスター/スレーブ」などこれまでITの世界であたりまえに使われてきた差別的で不明瞭な用語を廃していくことをゴールに、IBMやRed Hat、The Linux Foundationなどが参加する「Inclusive Naming Initiative」の設立が11月19日(米国時間)、開催中のバーチャルカンファレンス「KubeCon North America 2020」で発表された。
- Inclusive Naming Initiative
- URL:https://inclusivenaming.org/
同イニシアティブは設立の主旨として「ソフトウェア業界では"ブラックリスト"や"スレーブ"など、感情的/歴史的に重い負荷をもたらす単語を使ってきた。そうしたメタファや口語表現を使わなくとも、明確に技術的な意味を伝えられるフレーズはあるし、それを選んでいきたい。問題のある用語を廃する、そしてより明快な用語でのコミュニケーションを行う、とくに第2言語を使って働く人々にとって明確に意味が伝わるようにする」ことを掲げている。
今後のロードマップとしては、2021年第1四半期までにベストプラクティスと置き換えるべき用語を定義し、ドキュメントおよびツールの提供も行っていく予定だとしている。なお、現時点で置き換えるべき用語およびそのオルタナティブとしてリストに上がっているのは以下の通り。
- ホワイトリスト(whitelist)/ブラックリスト(blacklist)
→ アローリスト(allowlist)/デナイリスト(denylist)、allowed+名詞/denied+名詞
- マスター(master)/スレーブ(slave)
→ コントロールプレーン(control plane)/コントロールプレーンノード(control plane node)、コントローラ(controler)/ドゥーア(doer)、プライマリ(primary)/レプリカ(replica)、プライマリ(primary)/セカンダリ(secondary)
- マスター(master)
→ メイン(main)、オリジナル(original)、ソース(source)、コントロールプレーン(control plane)
- Word replacement list -Inclusive Naming Initiative
設立時点でInclusive Naming Initiativeに参加する企業/団体は、Akamai、Cisco、Cloud Netive Computing Foundation、IBM、The Linux Foundation、Red Hat、SDDI、VMwareの8組織となっており、メーリングリストでの議論を中心に活動が展開されていく。