GNOMEプロジェクトは11月30日(米国時間)、GNOMEファウンデーションがサポートする新たなパートナーイニシアティブ「GNOME Circle」のローンチを発表した。開発者がGNOMEプロジェクトに参加する敷居を下げ、より多くの開発者がGNOMEプロジェクトやGNOMEアプリ開発に関われるようにするための取り組みで、GNOMEエコシステムのさらなる拡大を狙う。
- GNOME widens its developer outreach with Circle -GNOME
- GNOME Circle
GNOME Circleの設立に関しては、11月12日~14日に行われたオンラインカンファレンス「Linux App Summit 2020」ですでに概要が紹介されており、その約半月後に正式なアナウンスが行われたかたちとなる。
GNOMEプロジェクトはこれまで、開発中のプロジェクトに対して「GNOMEインフラでホストされた環境のもと」「GNOMEの開発ルールに従う」ことを義務付けていた。しかしこの"GNOME縛り"は開発者、とくに個人でプロジェクトを進めたい開発者にとっては制約が多く、結果として開発者がGNOMEプロジェクトから遠ざかる要因にもなっていた。
GNOME Circleはそうした"GNOME縛り"を緩め、開発の自由度を高くすることで、より多くの開発者にGNOMEプロジェクトへの参加を促すイニシアティブだ。GNOME Circleのメンバー参加条件は「プロジェクトはオープンソースソフトウェアに限る」「GNOMEプラットフォームを使う」の2点だけで、これまでのようにGNOMEインフラストラクチャでホストされている必要も、GNOMEのリリーススケジュールに従う必要もない。開発ターゲットはアプリケーションと開発ライブラリの両方に適用される。
GNOME Circleの設立についてGNOMEファウンデーションのエグゼクティブディレクターであるNeil McGovernは「独立した開発者たちはGNOMEプラットフォームを使ってすばらしい仕事をしており、(GNOME Circleの設立により)GNOMEファウンデーションが今まで以上に彼らをサポートできることを非常に楽しみにしている。GNOME Circleとともに、GNOMEコミュニティが成長し、より力強く、活気に満ちたデベロッパエコシステムを構築できることを我々はうれしく思う」とコメントしている。