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2021年2月17日Linux 5.11がリリース、Intel SGXやAMDのハードウェア群を新たにサポート

Linus Torvaldsは2月14日(米国時間⁠⁠、⁠Linux 5.11」の正式リリースをアナウンスした。開発期間は約2ヵ月、7本のリリース候補(RC)版を経てのリリースとなる。

Linux 5.11 -Linus Torvalds

Linux 5.11の主な特徴は以下の通り。

  • 「WINE」など非Linuxのシステムコールをリダイレクトするメカニズムを追加、ユーザスペースでのダイレクトなWindowsバイナリ実行が可能に
  • Linux 3.18でマージされたファイルシステム「overlayfs」が非特権ユーザでもマウント可能に
  • Intelのセキュリティ機構「Intel SGX(Software Guard eXtensitons⁠⁠」のサポート
  • 「Vangogh」⁠Green Sardine」⁠Dimgrey Cavefish」などAMD製ハードウェアを新たにサポート
  • Intelのグラフィクスカード「DG1」のサポート
  • NVIDIA Tegra 3をベースにしたゲームコンソール「Ouya」のサポート
  • Btrfsのパフォーマンス向上およびデータリカバリシステムの改善
  • NFSにおける再エクスポート機能(NFS経由でのNFSエクスポート)のサポート。インカーネルのNFSサーバをキャッシュのように使って別のリモートのNFSをエクスポートでき、NFSv3→NFSv4.2(pNFS)なども可能に
  • システムコール「epoll_wait(2)」から派生した「epoll_pwait2(2)」の追加
  • ARM v8.5で実装されたメモリタギング拡張(MTE)をベースに、ARM 64アーキテクチャにおけるメモリリーク検出を高速化

Intel SGXはアプリケーションをセキュアに実行するためにIntelが開発したメカニズムで、⁠エンクレーブ(enclave⁠⁠」と呼ばれるメモリ内の暗号化された領域にユーザコードやデータを割り当て、外部の不正なアクセスからデータやコードを保護する。メインラインにおけるSGXサポートは2016年から開発がスタートしたが、実装までに3年以上を要したことになる。なお、SGXはIntelの第3世代「Xeon Scalable Platform(開発コード"Ice Lake"⁠⁠」でもSGXのサポートが予定されている。

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