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2021年6月3日SUSE Linux Enterpriseとの融合を強化したopenSUSE Leap 15.3がリリース

openSUSEプロジェクトは6月2日(ドイツ時間⁠⁠、⁠openSUSE Leap 15.3」の正式リリースを発表した。⁠openSUSE 15」シリーズのコミュニティバージョンの3回目のポイントリリースで、エンタープライズバージョン「SUSE Linux Enterprise 15 SP3」と同じソースコード、同じバイナリパッケージからビルドされている。

openSUSE Leap 15.3 Bridges Path to Enterprise - openSUSE News
リリースノート | openSUSE Leap 15.3
Features 15.3 - openSUSE Wiki

openSUSE Leap 15.3の主なアップデートは以下の通り。

  • デスクトップ環境に「Xfce 4.16」のほか、⁠KDE Plasma 5.18 LTS」⁠GNOME 3.34」が利用可能
  • カーネルはLinux 5.3.18(SLE 15 SP3と同一)
  • DNFパッケージマネージャ「DNF 4.7.0」
  • COVID-19の追跡機能などを備えたフリーの健康管理システム「GNU Health 3.8」
  • IBMのメインフレーム「IBM Z」とそのLinux専用モデル「IBM LinuxOne」のサポート
  • 前バージョンでは別のコミュニティチームがメンテナンスしていたPowerPCアーキテクチャ(powerpc64)とArm64アーキテクチャ(aarch64)をx86アーキテクチャ(x86_64)と同様にSLEからダイレクトにバイナリを使用
  • 「containerd」⁠podman」⁠kubeadm」⁠cri-o」などコンテナ関連パッケージのセキュリティアップデート

openSUSE Leapは現在、エンタープライズバージョンのSLEとの融合を進めており、15.3からはソースコードだけでなくバイナリレベルでの互換性と移植性を高めるため、更新リポジトリが新たに2種類追加されている。15.3以降、openSUSE Leapのパッケージのほとんどは「Backports」と呼ばれる更新リポジトリに含まれることになり、Backports内のパッケージはSUSE Package Hubを経由してSLE側にパブリッシュされる。これにより、ユーザはLeapでテストしたパッケージをSLEにデプロイすることが可能になる。なお、今回からアップデート方針が大きく変わったため、openSUSE Leap 15.2よりも前のバージョンからopenSUSE Leap 15.3にアップデートすることは推奨されていない。

SUSEのアイコンであるゲッコーを2体配したアイキャッチはLeapとSLEが陰陽(yin yang)のように互いに補完しながら成長していくことを意味している(※画像はopenSUSE Newsより)
SUSEのアイコンであるゲッコーを2体配したアイキャッチはLeapとSLEが陰陽(yin yang)のように互いに補完しながら成長していくことを意味している

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