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2021年8月10日すべての参加者の安全を最優先に ―The Linux Foundation、リアルイベント再開のプロトコルを公開

The Linux Foundationは8月6日(米国時間⁠⁠、9月27日から開催する「Open Source Summit」⁠米シアトル)をはじめ、一部の主催イベントを対面で再開するにあたってのプロトコルを公開した。本プロトコルは2021年11月までに開催されるThe Linux Foundation主催のリアルイベントに適用され、⁠すべてのイベント参加者の安全を確保することが最優先事項」に掲げながらパンデミックにおけるリアルイベントの成功をめざす。

Vaccines + Masks for Safe in-Person Events – Read About All On-Site Safety Protocols -Linux Foundation
ワクチン+マスクで安全な対面イベントを – 必読:オンサイト セーフティ プロトコル By Linux Foundation Japan(上記の日本語版)
Open Source Summit -Linux Foundation Events

The Linux FoundationはCOVID-19の感染拡大を受け、1年以上に渡ってすべてのイベントをオンラインでのみ開催してきたが、Linuxコミュニティメンバーからの強い要望を受け、CDC(米国疾病予防管理センター)やWHO、英NHSといった保健機関、地方自治体、会場関係者およびベンダ各社と連携し、リアルイベントの再開に向けて慎重に検討を重ねてきた。7月22日にはOpen Source Summitの開催概要を発表、一部のプログラムを対面で行うことを明らかにしている。なお、9月28日のキーノートプログラムではLinus TorvaldsとDirk Hohndel(VMware)の対談も予定されている。

リアルイベント開催におけるプロトコルでは、すべての参加者は

  • COVID-19ウイルスのワクチン接種を完了(接種状況の確認にはワクチン確認アプリを使用)
  • マスク着用
  • 毎日体温チェック

が義務付けられており、さらに会場にて提供されるコンフォートレベルリストバンド(緑/黄/赤)を着用することで、希望するソーシャルディスタンスレベルを意思表示できる。また、イベント会場での対策として

  • 会議室の収容人数の削減
  • 講演者/参加者間の物理的スペースの拡大
  • イベントスペースの通路の拡大
  • 展示ホールにおけるスポンサーブースの分離拡大と通路の拡大
  • 飲食やマスク休憩のためのソーシャルディスタンスエリアの設置
  • 会場との緊密な連携(タッチポイントの消毒やボードの設置など)

といった準備が取られるという。なお、The Linux Foundationのイベントチームは全員がパンデミックオンサイトプロトコルの取り扱いについて「Event Leadership Institute」の認定を受けており、来場者が会場で安全かつ快適に過ごせるようサポートするとしている。

シアトルでのOpen Source Summitのほかに開催が予定されているThe Linux Foundation主催のイベントには、英ロンドンで10月4日から予定されている「Open Source Strategy Forum London」や米ロサンゼルスでの「Open Networking + Edge Summit & Kubernetes on Edge Day」⁠KubeCon + CloudNativeCon」⁠いずれも10/11~12)などがあり、ワクチン接種が進んでいる北米や英国での開催となっている。なお、いずれのリアルイベントも「さまざまな要因により、すべての人が直接参加できるわけではない」⁠The Linux Foundation)ことを受け、オンライン(バーチャル)との併催となる予定だ。

北米や欧州でワクチン接種率が高まっているとはいえ、新型コロナウイルスの感染拡大は続いており、パンデミックのゆくえはいまだ流動的だ。プロトコルを公開し、イベントの透明性を高めたことで、コロナ禍での"安全"なリアルイベントを実現できるのか、シアトルでのOpen Source Summitは重要な試金石となりそうだ。

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