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2022年2月9日 StarlingX ―OpenStackの流れを汲むエッジコンピューティングのオープンソースプラットフォーム

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一時は「AWS/パブリッククラウドのオルタナティブ」をめざしていたオープンソースプロジェクト「OpenStack」だが,最近では通信など特定の業界以外でのユースケースを聞くことはめっきり少なくなった。だがプロジェクトとしては現在も存続しており,かつて「OpenStack Foundation」という名称で活動していた組織はより幅広いテクノロジをカバーするため,2021年から「Open Infrastructure Foundation(OIF⁠⁠」に生まれ変わっている。

OIFのもとには現在,OpenStackを含めて7つのオープンソースプロジェクトが活動を続けているが,そのひとつであるエッジコンピューティングプラットフォーム「StarlingX」への注目度がここ最近高くなってきている。

StarlingX -Open Source Edge Cloud Computing Architecture

StarlingXはエッジコンピューティングに特化したフルオープンソースのクラウドソフトウェアスタックで,OpenStackの技術が多く実装されており,ベアメタル/仮想マシン/コンテナのいずれの環境でもデプロイ可能である。セキュリティ,スケーラブル,超低遅延,スモールフットプリントといった特徴から,とくに5Gにおける通信環境構築(仮想基地局,MECなど)を急ぐ通信キャリアのあいだで導入が検討/進行中だ。なお,StarlingXの商用ディストリビューションとして「Windo River Titanium Cloud」がある。

StarlingXのアーキテクチャwww.starlingx.ioより)

StarlingXのアーキテクチャ

StarlingXの最新版は2月1日にリリースされた「StarlingX R6.0」で,Kubernetesがコンテナ管理のデファクトのコンポーネントとなったほか,これまでベースOSとして統合していたCentOSからDebianへ移行,LinuxカーネルにはLinux 5.10を採用し,さらにセキュリティ強化のために監査サービスデーモン「Linux Auditd」をサポート,モダンでセキュアなエッジプラットフォームへとアップデートされている。

StarlingX R6.0 is here! -Blog

OpenStackと同様に通信業界での利用拡大が目されるStarlingXだが,エッジコンピューティングの得意分野である大容量アプリケーションの高速通信や超低遅延を前提にした産業用IoTなど,さまざまな領域での活用が期待されている。コロナ禍で拡大するエッジコンピューティングのニーズをオープンソースプロジェクトとしてどう捉えていくのかに注目していきたい。

著者プロフィール

階戸アキラ(かいとあきら)

起きてからまず海外ニュースサイトのハシゴをしないと1日を始められない海外ニュースウォッチャー。英語は英検準一級の資格を持ち,日本人と話すより英語圏の人のほうがウマが合う。