FreeDOSプロジェクトは2月20日、「FreeDOS 1.3」のリリースを発表した。前バージョンの「FreeDOS 1.2」がリリースされた2016年12月以来、約5年ぶりのメジャーアップデートとなる。
- The FreeDOS Project
- FreeDOS 1.3 report
- FreeDOS Archive / OS / builder -GitLab
FreeDOSはオープンソース(GPL)のMS-DOS互換OSで、クラシカルなDOS画面とコンパクトなサイズに惹かれるファンも多く、レガシーアプリの動作環境や組込みシステムの開発環境としても根強い人気をもっている。1994年6月にプロジェクト(当初は"PD-DOS")が開始され、数年に渡ってテスト版のリリースを重ねられたのち、2006年9月に最初の正式リリースとなる「FreeDOS 1.0」が登場する。その後、2012年1月に「FreeDOS 1.1」、2016年12月に「FreeDOS 1.2」と数年おきにアップデートが行われており、今回のFreeDOS 1.3は5年ぶりのリリースとなる。PD-DOSプロジェクト発足当時、Microsoftは「Windows 95以降ではMS-DOSを使用しない」と発表しており、「DOSがなくなるのでは」と危機感をもったUsenetニュースグループ「comp.os.msdos.apps」のメンバーがプロジェクトを発足、現在に至っている。
前バージョンからアップデートしたおもな項目は以下の通り。
- コマンドラインシェル「FreeCOM 0.85a」
- Kernel 2043 / FAT32ファイルシステムをサポートした8086バージョン
- フロッピー版を圧縮し、必要なディスク枚数が半分に
- 大量のプログラム/ゲーム/パッケージのアップデート
- インストールプロセスの改善
プレーンなFreeDOSのインストールに必要なディスク領域は20Mバイト程度で、ゲームやアプリケーションをフルインストールするのであれば約275Mバイトが必要。オプショナルパッケージ用のボーナスCDも用意されている。基本的にi386以上のCPUと2Mバイト以上のメモリを備えたPCであればどのマシンでも動くとされているが、FreeDOSプロジェクトは「DOSに詳しくないユーザであれば、VirtualBoxのようなエミュレータ上にインストール」することを推奨している。