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2022年3月1日古いコードはコストがかかる ―LKML、ReiserFSの削除について議論

2001年の「Linux 2.4.1」でマージされたReiserFSは、Linuxカーネルがサポートするジャーナリングファイルシステムの中でも最も古いものである。これまで20年以上に渡ってサポートされてきたReiserFSだが、Btrfsやext4といったメジャーなジャーナリングファイルシステムと比較すると、本番環境で使われているケースは非常に少なくなっている。この現状に対し、古参メンテナーのひとりであるMatthew Wilcox(Oracle)がLinux開発者のメーリングリスト「LKML.org」「Is it time to remove reiserfs? ⁠ReiserFSを取り除くときが来たんじゃないか⁠⁠」と2月20日に投稿、開発者の間で議論が拡がっている。

Is it time to remove reiserfs? -Matthew Wilcox

Wilcoxは「メインツリーでReiserFSを維持するのはコストがかかる」と前置きしたうえで、ReiserFSでしか使われていない機能が残っているのに誰も古くなった実装に手を付けず、バグ修正もほとんど行われていないと指摘、ReiserFSのインストールベースが減少している以上、過去のExtやXiafsの例にもあるように、メインツリーでのReiserFSのサポートを3月リリース予定の「Linux 5.17」以降にやめるか、もしくはReiserFSをリードオンリーのみのサポートに限定することを提案している。

この投稿をきっかけに数人の開発者が意見を挙げており、中には「ReiserFSを使っているサーバを何台も本番環境で運用している!」と主張する声もあったが、大勢は「2025年にはカーネル本体からReiserFSを削除すべき」という方向で収束しつつある。現在利用しているというユーザも、3年という時間があれば他のモダンなジャーナリングファイルシステムへの移行は十分に可能だと思われる。

余談だが、ReiserFSのオリジナルの開発者であったHans Reiserは2006年に妻の殺害容疑で逮捕されており、2008年に懲役15年の刑が確定、出所は2023年以降とみられている。

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