この記事を読むのに必要な時間:およそ 0.5 分
Facebookが開発したリアルタイム圧縮アルゴリズム「Zstandard(Zstd)」は高速なデータ圧縮/解凍,さらに独自のトレーニングモードによる辞書生成機能を使った高い圧縮率が人気となっており,UbuntuやFedoraといった主要なLinuxディストリビューションもパッケージ圧縮にZstdを採用している。
Linuxカーネルも2020年10月リリースの「Linux 5.9」からカーネルイメージの圧縮にZstdをサポートしたが,その当時から一部の開発者からカーネルイメージだけでなくファームウェアの圧縮でもZstdを適用すべきという意見が上がっていた。その要望はどうやら現在リリースに向けて開発中の「Linux 5.18」の次にあたる「Linux 5.19」で実現しそうだ。
4月22日,カーネルメンテナーのGreg Kroah-Hartmanが次期カーネルのコアドライバを待機させるgitツリーに,ファームウェアの圧縮にZstdをサポートするパッチ(オーサーはSUSEの岩井隆氏)を追加している。
-
- firmware: Add the support for ZSTD-compressed firmware files -git.kernel.org
岩井氏のコメントによれば,ZstdはAPIでヘッダからオリジナルの解凍サイズを取得できるので,XZに比較してシンプルなコーディングで済んだという。順調に開発が進めば,Linux 5.18のリリース直後(5月後半ごろ)からマージが開始することになる。