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2022年5月11日コミュニティによるコミュニティのためのディストロ ―Fedora Linux 36がリリース

Fedoraプロジェクトは5月10日(米国時間⁠⁠、⁠Fedora Linux 37」の正式リリースを発表した。10日から開催されているRed Hatの年次カンファレンス「Red Hat Summit 2022」にあわせた公開で、⁠Red Hat Enterprise Linux 9」と同時に一般提供が開始されている。

 
Announcing Fedora Linux 36 -Fedora Magzine
Fedora Linux 36 Now Generally Available -redhat.com
Release Notes for Fedora Linux 36 -fedoraproject.org

カーネルには現時点で最新版のLinux 5.17、デフォルトデスクトップ環境にはGNOME 42を採用している。GNOME 42を搭載したことにより、多くのコアアプリケーションがGTK 4にポーティングされており、パフォーマンスとスタイルが大幅に改善されている。また、新たなGNOMEアプリケーションとして「Text Editor」⁠Console」の2つが追加されている。

その他のおもなアップデートは以下の通り。

  • NVIDIAプロプライエタリのグラフィックドライバを利用している場合は、デスクトップセッション(GDM)のデフォルトがWaylandに
  • 軽量なデスクトップ環境を望むユーザのために「LXQt 1.0.0」を利用可能に
  • 最新版のAnsible(現時点ではAnsible 5.0)を収録、エンジンがansible-coreパッケージとcollectionsパッケージ分離されたことで、必要なコレクションのみのダウンロードが可能になり、メンテナンスが容易に
  • Cockpitにより、NFSおよびSambaのファイル共有管理がWeb UIベースでで可能に
  • Red Hat開発のコンテナエンジン「Podman 4.0」を実装
  • Ruby 3.1、Golang 1.18、PHP 8.1など主要なプログラミング言語のアップデート

Fedoraプロジェクトのリーダーを務めるRed Hatのマシュー・ミラー(Mathew Miller)はリリースブログで「Fedoraの新リリースの文面はいつもテクニカルな内容で始めるけど、今回はこのアップデートを実現したコミュニティにフォーカスしたい。Fedoraは単に離れた場所で孤独にコツコツと作業するメンバーの集団じゃない。我々は友人どうしだ。友人(Friends)は我々のミッションを象徴するFour Foundations⁠のひとつだ」とコメントしており、Fedora 36がコミュニティの共同作業によって生まれたリリースであることをあらためて強調している。

なお、FedoraプロジェクトではFedora Linux 36のリリースを記念して「Fedora Linux 36 Release Party」の開催を5月13日および14日に予定している。

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