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AlmaLinux OS Foundationは6月20日,ディストリビューションやパッケージのビルドからリリースまでを自動化するシステム「AlmaLinux Build System(ALBS)」をリードオンリーで公開した(ライセンスはGPLv3)。AlmaLinux OSの前身であるCloudLinux OSから使われてきた内製プロダクトで,AlmaLinux OSの最新バージョンであるAlmaLinux OS 8.6,AlmaLinux OS 9.0のビルドにも使われている。
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- Introducing ALBS: The AlmaLinux Build System -AlmaLinux OS Blog
- AlmaLinux Build System -build.almalinux.org
- AlmaLinux/build-system -GitHub
ALBSは,ディストリビューションやパッケージのビルドにまつわるワークフローで生じる人的ミスを限りなく小さくし,ビルドからパブリックリポジトリにリリースするまでのプロセスの自動化を目的としているプロジェクト。2012年のCloudLinux OSのビルド自動化から開発がスタートし,AlmaLinux内の各種プロジェクト(KernelCareやImunify360のサポート)でも使われてきた。このとき,rpmパッケージに加え,debパッケージのビルド/テストを行う機能が追加されている。サポートするアーキテクチャはx86_64,ARM64(aarch64),PowerPC(ppc64le)の3種類。
今回のリードオンリーアクセスに加え,今後はRBAC(ロールベースアクセス制御)をベースにしたシステムを導入し,外部のメンテナーやコントリビューターがアクセスできる環境を2021年7月末までに整えることが予定されている。また,ビルド時の安全性を強化するためのSBOM(Software Bill Of Materials)やFedoraが開発する自動ビルドシステム「Copr」のサポート,仮想マシンやコンテナイメージのビルド/パブリッシュの自動化なども今後予定されるアップデートに含まれている。
AlmaLinux OS Foundationは「パッケージやイメージのビルドを簡単に行いたいと願うすべての企業/組織に,ALBSを”エンタープライズLinux”のエコシステムとして届けたい」と言及しており,ビルドシステムの自動化を今後もひろく普及させていく姿勢を見せている。