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2020年6月2日Linux 5.7がリリース ―サーマルプレッシャー、exFAT、iOS用USBドライバなど

Linus Torvaldsは5月31日(米国時間⁠⁠、⁠Linux 5.7」のリリースを発表した。開発期間は約2ヵ月で、7本のリリース候補(RC)版を経ての公開となる。

Linux 5.7 -Linus Torvalds

Linux 5.7におけるおもなアップデートは以下の通り。

  • CPUがオーバーヒートしたときに、ガバナーによる周波数の変更でパフォーマンスが下がりすぎないよう、タスクスケジューラが調整を行う「サーマルプレッシャー(Thermal Pressure⁠⁠」の実装
  • Linux 4.7でサポートされたガバナー「schedutil(スケジューラがCPUの周波数を選択⁠⁠」をx86プロセッサでも適切に利用できるようにする「周波数不変スケジューラ(frequency invariant scheduler⁠⁠」の実装
  • SamsungおよびMicrosoftの貢献により、新しくなった「exFAT」ファイルシステム
  • x86プロセッサにおける「スプリット/ロック検出(split-lock detection⁠⁠」のサポート
  • Linux 5.0でサポートされた「ARMv8.3 Pinter Authentication(ポインタ認証⁠⁠」をユーザスペースコードだけでなくカーネル(arm64)にも拡張
  • Linux 4.3でサポートされたシステムコール「userfaultfd(2)」⁠ユーザスペースでページフォルトを可能にする)に書き込み保護機能をサポート、mprotect(2)と同等の機能を実現(パフォーマンスはuserfaultfd(2)が上)
  • BPFプログラムをLSM(Linux Security Module)にフックして、ダイナミックなセキュリティ監査やMACポリシーを可能にする「bpf-lsm」
  • 異なるcgroup内に子プロセスをダイレクトに生成できる「clone(2)」のサポート
  • perfツールによるcgroupプロファイリング機能の改善
  • iOSデバイス用USBファストチャージドライバのサポート
  • F2FSにおけるZstdアルゴリズムのサポート
  • 「Qualcomm Snapdragon 865」⁠Qualcomm IPQ6018」のサポート

Linusはすでに次期カーネル「Linux 5.8」のマージウインドウをオープンし、プルリクエストを受け付けている。

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