軽量でポータブルなLinuxディストリビューションとして評価の高い「Puppy Linux」や、Puppyをベースにカスタムコンテナ(Easy Containers)上でデスクトップ環境/アプリケーションを動かす実験的なOS「EasyOS」の作者として知られるBarry Kaulerは5月28日(オーストラリア時間)、USBメモリなどのポータブルメディアに簡単にOSイメージを書き込めるアプリケーション「EasyDD」をオープンソース(GPLv3)として公開した。
- EasyDD: write image file to drive
EasyDDはUSBスティックやSDカード、またはハードディスクなど外付けのUSBメディアに数ステップでOSイメージを書き込めるツール。サポートするイメージファイルはgzipやbzipで圧縮されたファイルやISOファイルなどで、メモリ使用量を抑えるため、ドライブに書き込む前にはイメージファイルの解凍を行わず、イメージがターゲットに書き込まれたあとに直接ターゲットドライブ上で解凍する。
USBメディア以外にもRaspberry Pi 3や場合によってはデスクトップPC/ノートPC内のディスクにも書き込むことができる。ただし、いずれの場合もターゲットとなるメディア上にあるデータはすべてスワイプされる。
- Prepare your computer for booting Linux
EasyDDはほとんどの32/64ビットLinux上で動作し、シンプルなスクリプトを実行するだけでOKだが、現時点ではコマンドラインモード(CLI)では問題ないものの、グラフィカルモード(GUI)ではスクリプトの実効にgtkdialogやpupmessage(またはgxmessage)といったパッケージが要求されるため、Puppy Linux(または派生ディストロ)やEasyOSなどKaulerが作成したディストリビューション以外のOSではうまく動作しないことがある。KaulerはGUIモードでのEasyDDの利用を望むユーザには、gtkdialogなど必要なファイルをすべてバンドルしたポータブルバージョン「EasyDD-portable」を推奨している。
Barry KaulerはすでにPappy Linuxの開発から距離を置いているが、Puppy Linuxのテーマでもある軽量で使いやすい"easy-to-use"な環境への追求はいまも続いており、EasyDDもそうしたアプローチのひとつだといえる。リリース直後からEasyDDにはいくつかのエンハンスが行われており、さらに使いやすいツールへと進化していきそうだ。