9.10で実現される(かもしれない)新機能
Ubuntu Developer Summitが終了し、
実現されるか微妙なものも含まれていますが、
- Wubiの拡張。提案として、
「これまでのように、 Wubiとして起動するだけでなく、 coLinuxを用いてWindowsのアプリケーションとしてWubiイメージを利用できるようにする」 「Wubiのインストール済みイメージをHDDにインストールしなおす機能を作る」 「Mac OS Xでも利用できるようにする」 ということが挙げられています。現在も激しく検討が続いているので、 どこまでが実現されるかは不明確です。少なくとも、 インストーラが 「既にインストールされているWubiのイメージ」 を検知し、 それをHDD上にインストールしなおす、 という機能は実現されるはずです。 - x86・
x64環境のカーネルパッケージ構成の変更。これまでの 「generic」 と 「server」 (PAEが有効なサーバー向けカーネル) から、 「generic」 と 「generic-pae」 (PAEを有効にした、 デスクトップ・ サーバ両用のカーネル) へ。 - GRUB2への移行。すでに実装されており、
また、 他の幾つかの機能 (特にWubi関連) に影響を与えるため、 これが撤回されることはおそらくないでしょう。 - デフォルトファイルシステムがext4へ。また、
Jauntyよりも起動時間を短縮。 - USB Creatorを非Linux環境でも使えるように。
- KMSの利用。Xの起動よりも前にビデオドライバを初期化しておき、
ブートスプラッシュなどをより高解像度で表示できるように。ちなみに、 今週リリースされた新しいカーネルから有効になりました。 - Amazon EC2互換クラウド環境、
Eucalyptus がmainに移動。 - クラウド環境向けパワーマネジメント。サスペンドやハイバネートを利用し、
通常はサーバーを待機状態にしておき、 必要に応じて起動する仕組みを実現する。 (今後の数リリースを使って) 。Upstartへデーモンの起動を切り替えていくための、 基礎的な仕様の定義 - Nofity OSDの強化。デザインの変更・
ユーザーカスタマイズ可能な設定項目の追加・ 表示位置のカスタマイズ・ 大量のメッセージが出力される場合の、 より見やすい表示への改良。 - Ubuntu Oneをインストール時にセットアップできるようにする。
- 会社等で利用する際に、
WSUSのようなカスタムリポジトリを容易に構築できるようにする 。 - Android互換実行環境の実現。
- Serverインストール時のクラウドセットアップ。Serverモードでのインストール時に、
Eucalyptusによるクラウド環境がセットアップできるようにする。 - ネットワーク設定周りのGUIの全面的な変更。
- swapパーティションから、
swapファイルへの移行 。必要に応じてswapのサイズを拡張したり、インストール後のswap追加を可能にする。 - sysklogdからrsyslogへの移行。
- ACPI関連パッケージの整理。
- インストーラレベルからのiSCSI rootの完全なサポート。iSCSI経由でHDDをマウントし、
ディスクレス環境を気軽に構築できるようにする。 - 無線LANドライバの強化。
- SSDの積極的なサポート。SSD向けファイルシステムや、
ファイルシステムのチューニングを容易に行えるようにする。 - インストール時にアップデートを反映。インストール時に、
より新しいパッケージが存在する場合、 アップデータを自動的に適用する仕組みを実現。 - ARMで使われるRedbootのサポート強化。
- ARM向けブートローダ環境の準備。
- TOMOYO Linux
(LSM版) のサポート。
Hundred Papercuts最初の10個
前回お伝えしたHundred Papercutsプロジェクトの、
「切り取り」 。を選択した場合はファイルは半透明にしてほしい - CD/
DVDの作成において、 。マスタリング対象ファイルを右クリックすると、 「削除」 であるべきところが 「ファイルをゴミ箱に移動」 出てくるのはおかしい - Computer Janitorのダイアログメッセージがわかりにくい。
- アンマウント・
イジェクトできない時にアイコンが変化するのはおかしい 。 - ホームフォルダ内のデフォルトフォルダ
(Documentsその他) 。には専用のアイコンが欲しい 「ダウンロード」 ディレクトリにも専用のアイコンが欲しい (一つ上のバグへの修正作業が行われたものの、 ダウンロードディレクトリは忘れられている)。 - バッテリ稼働中に大量のアップデートが適用される場合、
実行前に警告を表示して欲しい 。 - USB等で接続されたリムーバブルディスクの、
「安全な取り外し」 に関連するメッセージがまちまちなのを何とかして欲しい - ファイルマネージャやデスクトップで
「新規作成」 。を選択した際、 「テンプレートがインストールされていません」 というメッセージを出す必要はない - PCを自動起動させる場合、
無線LANの接続にいちいち確認を行わないモードが欲しい 。
今後、
なお、
UWN #147
Ubuntu Weekly Newsletter#147がリリースされています。
IntelとNokiaの提携
6月23日
これにより、
その他のニュース
- HP Proliant G6シリーズ
(いわゆる “Nehalem” 搭載のサーバー) の、 Ubuntuの公式サポートが提供されるようになりました。Canonicalからサポートを受けて運用することが可能になります。 - Amazon EC2で使えるUbuntu Serverイメージの、
Karmic版のAlphaベースのもの。 - byobuのパフォーマンスチューニングの背景の説明。
「n秒おきに実行コストのかかるスクリプトを走らせていたので、 同時にスクリプトが走ってしまう瞬間があり、 これが体感できるパフォーマンスの下落を引き起こしていた」 ので、 「nを素数にした」 そうです。 - 無線LANを使ったブリッジ
(アクセスポイント) 。を作成する方法 - bzr 1.
16 とBazaar Explorer 0.3 のリリース(Bazaar Explorerはバグが見つかったため、 直後に0. 3.1がリリースされています……)。
今週のセキュリティアップデート
GStreamer Good Plugin
- usn-789-1:GStreamer Good Pluginのセキュリティアップデート
-
- https://
lists. ubuntu. com/ archives/ ubuntu-security-announce/ 2009-June/ 000918. html - 現在サポートされている全てのUbuntu
(6. 06LTS・ 8. 04LTS・ 8. 10・ 9. 04) 用のアップデータがリリースされています。CVE-2009-1932を修正します。 - CVE-2009-1932により、
悪意ある細工の施されたPNGファイルが開かれた際、 バッファサイズを格納する変数に整数オーバーフローが生じ、 結果として攻撃者の任意でヒープバッファオーバーフローを引き起こすことができます。これにより、 任意のコードの実行、 ないしアプリケーションのクラッシュを発生させることが可能です。 - 対処方法:通常の場合、
アップデータを適用するだけで問題を解決できます。 - 備考:少なくともUbuntuのデフォルト環境では、
TotemとRhythmboxがこのプラグインを利用してPNGファイルの表示を行います。
- https://
- usn-790-1:Cyrus SASLのセキュリティアップデート
-
- https://
lists. ubuntu. com/ archives/ ubuntu-security-announce/ 2009-June/ 000919. html - 現在サポートされている全てのUbuntu
(6. 06 LTS・ 8. 04 LTS・ 8. 10・ 9. 04) 用のアップデータがリリースされています。CVE-2009-0688を修正します。 - cyrus-saslライブラリのbase64処理コードに問題があり、悪意ある入力が行われた場合にヒープバッファオーバーフローが発生します。これにより任意のコードの実行や、プロセスのクラッシュを発生させることが可能です。
- 対処方法:アップデータを適用した上で、SASLを利用しているプロセスを個別に再起動してください。apt-cache rdepends libsasl2-2などで手がかりを得ることができるでしょう。プロセスを特定できない場合、OSを再起動することで代替することもできます。
- https://